食料自給率から考える

日本の食料自給率を見ると、カロリーベースでは37、38%台です。

この状態の事をずっと

低い低い!と言う人がいます。

日本にも残っている第1産業関係者も、その思想に乗っかり日本国内での農業・漁業・林業などの生産+消費を向上させるべきや!
とまあ、言いたい気持ちは分かります。

理由①確かに、我々の食事は6割弱程が外国に依存してます。
日本だけでは、1日1食〜1.5食しか食えねえという状況とも見れます。

理由②更に、現在のような第3産業「商業・サービス業」では完全に格差がでます。
農業やらの第一産業では、人間の能力差はそこまで差が開きません。
人間の体力の差なんてのは知れています。
が、パソコンが登場してネットが使える時代では能力の差は歴然になります。

同じ時間を生きているのに、
1日で億を稼ぐ人間もいれば、
365日で300万の人間もいるという、
あまりにもえげつない差が生まれます。

なので、<原点回帰>
つまり、原始に戻ろうと活動している人間はいるのです。
格差がうまれにくい、第一産業へ戻ろうではないか!とね。

さて、本題に戻ります。

昨今、米を食えば、麦も食べる。タンパク質しか食べない人も、僕のようにチョコレートが主食の人間も、断食をする人も、プロテインメインの人も、ここまで食の多様化が進んでいますが、

みなさんは、日本国内の食料自給率をあげた方が良いと思いますか?

日本人は外国に頼らず、日本人で食料を自給自足するべきでしょうか?

僕個人としては、そもそも食事に興味0なので
全くどうでも良いです(笑)

が、一応愚見を述べると

ここまで多様性を重んじる社会になってきている時代に、日本国民には外国食品に手を出させず、日本国内のモノを食べさせるプラットフォームをつくるなんていう<社会主義>的な思想は、通るわけがないでしょうね。

冷戦は終わったが、
それでもこの資本主義社会の格差問題は
食料自給率を考えた時にも多大な影響を及ぼしていることが如実に分かります。
実質、冷戦は終わっていないのと同じでしょう。

さて、食料自給率はあげた方がいいのか?
こういった時も歴史を見ていきましょう。

<イギリス>のケースを見てみます。

1806年大陸封鎖令

フランスとその同盟国の支配者ナポレオン1世が、その当時産業革命中のイギリスを封じ込めて
フランスと通商させ、
ヨーロッパ大陸の経済を支配しようとした命令です。

ま、イギリス目線で簡単に言えば
貿易を邪魔されて、イギリスは輸入が困難になってまいました。
産業革命に成功してたその当時のイギリスって、めっちゃ植民地も多かったので
これは大打撃。
食料も、ほとんどを自分らだけでなんとかせなあかん状況になりました。

例え話を今の日本で言えば、
アメリカにケンカ売られ
大陸封鎖されて
ある日いきなり30%程度の自給自足で
生きていかなあかんような状況です。
1日1食にするか
1食分を3食に分けるか?みたいな話。

ま、3食食べてる人からしたらきつい状況よな。

僕は1日バナナ一本とコーヒーだけでも全く大丈夫なのでそんなに恐ろしく感じませんが(^^)
こういう時は研究者は強いかも(☆▽☆)

で、イギリスは非常に困るわけです。
そこで打った対策が

1815-1846年 穀物法

です。
ま、結局
完全に英国人は英国のモノを購入して食べるようにさせようって話です。
なので、改めて外国の食品には高関税をかけて
買わせないようにしたんですよ。
つまり、狙いはイギリス食料自給率の向上。

日本も、今一部の人が
食料自給率を上げろ!
日本人だけで自給自足が必要!
と言われますが、
まさにイギリスは同じことを過去に実施してくれてるんですよね。

歴史から学べる。本当にありがたいよ。

で、結局
どうなったかって話なのですが。

結論を言うと、失敗に終わります。

アイルランド飢饉が発生します。

1840年代半ば ジャガイモ飢饉

です。
食料自給率を跳ね上げてたんですが、
やっぱね、不作もあるやないですか。
台風、大雨、地震もあるわけです。

そういう不作が発生した場合
食料自給率が高い国ほどダメージが大きいのです。

イギリスは食料自給率向上を目指した結果
大量の餓死者をだしました。

目先的な利益に走った失敗です。

そら短絡的に考えれば、
トラブルの原因となる他国と協力しながらやるよりも
自分らの国は自分らだけで実施する方が
良い風に見えるのですよ。

ただ、それをすると
何かトラブルが発生した時に一気に崩壊するのです。

ちなみに日本も
江戸では鎖国してた時代には何度も大きな飢饉に襲われていますよね。
おまけに、太平の世と評価はされてますが
江戸末期は、外国に大きな遅れをとって
脅されて屈服するという結末を迎えましたね。

自分らだけでやっていこうぜ!
という身内思考。

それは、目先的にはメリットが多いように見えて
デメリットの際のダメージが大きすぎる

という学びがあります。

冒頭、食の多様化の話をしましたが
個人的にはすごくよいと思います。

決してどこかの国と限定して、貿易するんじゃなくて
様々な国から色んな食品を輸入している。

どこかとトラブルになって、貿易が終わっても
たくさんの国から輸入してれば最悪飢饉にはならずに済むかもしれませんね。

それらを加味しないで、
短絡的に
日本の食料自給率はあげるべきや!
とか
日本人はもっと日本のモノを買うべきや!
って理論は僕はどうかな?
と考えます。

ま、ただ
最近またイギリスはEUを脱退して、他国とのチームプレイを拒否する事を表明したり
各国がコロナウイルスの影響もあり
お互いナショナリズムに走り出したり

他国がそれぞれ自分達中心の風習になりだした時には、
日本の38%の食料自給率では怖いのも事実ではあります。

ま、今日言いたいことは
世の中にはほんとにたくさんの価値観があるので
食料自給率を上げればいいなんて
そういう簡単な話で解決に進むことはないってことですね。

やはり、多様な視点と価値観を知っておく必要がありそうです。

では、よい1日を(゚∀゚)












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