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結婚ってのも

<商家に女系家族が多い>というのは聞いた事があるでしょうか。
商売を長年やってるような名家には女系家族が多いものです。
その主たる理由は、優秀な人材を跡取りとして迎えるためです。

モノを売って飯を食っていくってのはね、本当に難しいのです。
年貢・家賃の取り立て?そんな権力もんとは訳が違う。
全く難易度のレベルがちがうのですよ。
殿様・地主の一族が基本的に男系家族なのは、凡庸な跡取りであろうが十分務まるからなんです。
がね、商家はそうはいきません。
跡取りは<必ず>と言っていいほど優秀じゃなきゃダメです。
しかし、ここが最大のリスク。
自分の息子が優秀であるという保証はどこにもない。
殿様・地主のように「男子が産まれたらそれでOK」みたいなEASYMODEではないのです。
優秀どころか、ろくでもない息子が生まれてしまっては家系全体が困ります。
よって、商家では娘が産まれる事を望まれる事が多かったのです。

商家では、娘を優秀な人材と結婚させます。
そしてまたその孫娘を優秀な人材と結婚させます。
そして優秀な人材が跡取りをとれるように盤石にしていくのです。
産まれてくる息子が優秀か否かに賭けるよりも、優秀であると確実に分かっている人材と結婚してもらって後を継がせる方がリスクは軽減されます。
これは動物の生存戦略としての視点としては合理的です。
生きていく為に必死なのです。

また、商家では幼少期から家の手伝いをさせます。
その主たる目的は、子供の能力を見極める事 にあります。
この際、商家の跡取りにふさわしい能力が備わっていない事が分かった場合には、学問・芸術の方に集中させる事になります。
学問・芸術で失敗しようが、それは個人の失敗です。
しかし、
店を継がせて失敗したなんてなれば一族はもちろん、従業員も路頭に迷う事になってしまいます。
多くの人間が不幸になってしまうのです。
これは商家の責任として、極力避けないといけません。
商売ってのは<愛情>という感情論だけでは回らないのですから。
人を守るのは、
愛の時もあれば、鞭の時もあるのです。

商家が持続して生きていくために、
必ずそこには感情論ではなく
<ロジック><論理>が必要なのです。

よって冒頭で言ったように
<商家の名家には、女系家族が多い>
という状態が自然に起こるという事なのです。
これはその商家の<個>の問題ではなく、
<組織>としての問題なのです。

ほんの少し前まで、
結婚なんてのは
人間という動物の生存戦略やったという事が垣間見える事実ですよね。

それが
時代が常軌を逸する豊かさになって
自由結婚になってみれば
結婚する大義名分すらなくなるのも自然と言えるでしょう。

結婚という行為が
生存戦略であっても
自由であっても
やっぱり人間社会には
それ相応にちゃーんと問題が発生するってことです。

理想を掲げ、ユートピアを目指すのではなく
現実を見て、今を生きましょう\⁠(⁠ϋ⁠)⁠/






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