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認知行動療法をするための基礎「自動思考」に気づく方法

自動思考を克服する 認知行動療法の心理学VOL.3

ある出来事が起きたときに、咄嗟に私たちの頭の中に浮かぶ考えのことを自動思考(Automatic negative thoughts, ANTs)と呼びます。

例えば、仕事で失敗したときに「前に仕事の失敗で上司に怒られたからまた怒られる」とすぐに上司のことを考えたとします。

これが自動思考です。何かあったときに一番最初に頭に浮かぶことと言い換えてもいいでしょう。

自動思考で浮かぶのは良いことでも悪いことでもありえますが、認知行動療法では、原語でAutomatic negative thoughts と言うように、ネガティブな思考のことだけを指します(日本語に訳すのなら、本来は「自動ネガティブ思考」となりますが、なぜかそうは訳されていません笑)。


自動思考と反芻思考とうつ病の関係

この自動思考は反芻(はんすう)思考ともつながっています。

反芻思考(Rumination, Ruminating)とは、同じこと、特にネガティブなこと(自分の欠点や過去の失敗など)を何度もくよくよと考えることです(ちなみに、原語でも「反芻ネガティブ思考」とは言いません)。

明らかにメンタルヘルスを害しそうな思考習慣ですよね。まさに、この反芻思考はうつ病などの精神疾患とつながっています。

反芻思考をする傾向が強い人ほど、抑うつや不安症状に苦しみやすいのですね。

また、イェール大学の先生によると、男性よりも女性の方が反芻思考をしやすいとも言われています。

つまり、「自動思考→反芻思考→うつ病」という悪い習慣の流れがあるのです。

だから、自動思考に気づくことがメンタルヘルスの改善とうつ病の予防に役立つというわけです。


自動思考と認知行動療法

自動思考でネガティブなことが浮かびやすいと、自然と反芻思考になっていきやすくなります。

そして多くの場合、メンタルに悩みを抱えている人たちはこの自動思考を把握できていません。だからどんどん不安などの症状が悪化していってしまうのですね。

そこで、自動思考をうまく捉えて、「自分が何を考えて(感じて)いるのか?」に気づくことが認知行動療法では重要になってきます。

そもそも自分が悪い思考をしていることに気づけなかったら修正しようがないですからね。

なので、認知行動療法の基礎的な部分が「自動思考に気づくこと」になるわけです。


トレーニングで自動思考克服する

慣れていない人が自動思考に気づくためにはトレーニングが必要です。

というわけで、ここからは「うつ病につながるネガティブな自動思考」に気づき、克服するためのトレーニング方法を解説していきます。

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自動思考克服トレーニング


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