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実話怪談

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どこかの誰かが体験した不思議な体験、実話怪談をまとめました。
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夜の巡回

夜の巡回

 伊織さんは大学卒業後に、看護師として働き始めた。勤めているのは大学病院の整形外科である。三交代制のシフト勤務で、夜勤も月に数回こなしていた。

 夜勤では、病室の見回り業務がルーティンに組み込まれていた。消灯後に病室を巡回し、患者さんがちゃんと眠れているか、変わった様子がないかを確認する作業である。

 その日の夜勤人員は伊織さんと先輩の女性看護師、花田さんの二人だった。定刻になったため、伊織さ

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マニラの黒い影

マニラの黒い影

 現在三十代の優人(ゆうと)さんが二十代前半の頃に、短期の語学留学でフィリピンのマニラに半年ほど滞在していた。
 その間暮らしていた家は、アジア各国からの留学生が集う集合住宅だった。住人のほとんどが二人一部屋でルームシェアをしていて、優人さんも年齢の近い日本人男性と同じ部屋で生活していた。

 その日、ルームメイトは外出しており、優人さんは部屋で机に向かって本を読んでいた。読書に没頭している間に日

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共感覚

共感覚

 共感覚という現象をご存じだろうか。文字や数字に色が付いて見えたり、音を聞くと色や形、感触を覚えたりする知覚現象である。通常の視覚や聴覚といった感覚に加えて、別の感覚が無意識に引き起こされる。

 圭太さんは何らかの音を耳にすると、それに色、形、肌触りを感じる共感覚の持ち主である。物心ついた頃から音楽や人の声が鮮やかに感じられていた。実際に視界に映るというよりも、脳内で映像が再生される感覚らしい。

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隣人

隣人

 大学卒業が間近に迫った三月上旬の昼下がり、恭介さんは、下宿をしているアパートでのんびりと過ごしていた。

 長く過ごしたこの部屋も今月末で引っ越しか――と四年間の出来事に思いを馳せる。
 築年数は古く、ほかの住人の生活音が聞こえることもあるが、最上階の突き当りとなる角部屋で、周辺環境にも問題はなく、気に入っている部屋だった。

 ふと隣の部屋から硬いものを叩く音が響いてきた。金槌で釘を打っている

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