ジュディス・バトラー「ジェンダー・トラブル」
簡単に言うと、この本がややこしい理由は来歴にあります。80年代のデリダブームから、アメリカでフランスの「(ポスト)構造主義」がかなり「脱構築」されたかたちで受容されるようになって、フェミニズムの中で「ポスト構造主義」流の理論構成がなされるようになります。その流れに竿さして、バトラーが自分の理論を構築しよう、という状況をまず把握しておくべきでしょう。しかも、アメリカは独特の形でフロイト精神分析が受け入れられていて、そんな中にらラカン流やら導入されて行きます。なので、この本でも精