張り切って金魚すくい

「わぁ、いいなぁ。」
「もうずっとやっていないけど、懐かしいねー。」

こざる達は 今日も、いつものように 賑やかにお喋りしながら、
朝ごはんの仕度をしています。

ラジオからは お盆休みのUターンラッシュのニュースが
流れています。
東京駅の新幹線ホームで、帰省先から戻った子供達が、
地元のお祭りに行って、
金魚すくいをして楽しかったと答えていました。

「金魚すくい、よくやったよねー。」
「でも なかなか上手くすくえなくて、いつも 紙がヨレヨレになって破れちゃうんだ。」
皆、うんうん頷きます。

こざる達は、金魚すくいが好きなのですが
上手くできなくて、１人で何匹もすくっている人を見ては感心していました。

「以前、ぼく達があまりにも下手なのを見かねた りこちゃんが、
真剣な表情で参戦したよね。」
「そうそう、『ちょっと貸してごらん。』って、ぼくが持っていたポイで
3匹すくったんだよね。」
「あの時の りこちゃん、すごく真剣だったよ!」
皆、思い出して 大笑いします。
そんなに真剣な りこちゃんを見ることは、そうそうないからです。

「3匹すくった時の得意気な顔も 懐かしいねー。」
皆、うんうん頷きます。

「また金魚すくいやりたいなぁ。」
「お祭りに行きたいねー。」
「やっぱりあの雰囲気が楽しいんだよね。」
皆、うんうん頷きます。

「また今月末か来月の中頃までに、そこの商店街でお祭りやるんじゃないかなぁ。」
「そうだね!」
「金魚すくい、あるかなぁ。」
「あっても、りこちゃんは もうあの時みたいな機敏な動きはできないからね。」
こざる達は、張り切って金魚すくいをやっていた りこちゃんを思い出しています。

朝ごはんの仕度が出来たようです。

「りこちゃん、呼んでくるねー。」
こざるちゃんが、ハミングしながら りこちゃんの部屋へ向かいます。

「りこちゃーん、朝ごはんできたよ。
今朝はホットサンドだよ。ハムとバナナがあるよ!
皆で一緒に食べよう!」

こざるカフェは、今日も ゆっくり始まって
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
明日からしばらくは、雨や曇りの天気のようですね。
よい毎日でありますように (^_^)