防災週間に全力でおすすめしたい1冊!『プチプラで地震に強い部屋づくり』
1923年に起こった関東大震災にちなみ、天災の恐ろしさを忘れないために、9月1日は防災の日とされています。
防災の日前後の時期は台風が多いシーズンでもあります。
8月30日〜9月5日まで防災週間です!
何かするご予定はありますか?あるいは、すでに何かしましたか?
するという方も、特に何もしないという方も、
日本で暮らすなら、ぜひ一度こちらの本を読んでおくことをおすすめします。
本をご紹介する前に私が著者の辻直美さんを知り、ファンになるまでの流れをご紹介させてください。
その時ハートは盗まれた
(↑昔、ハマったドラマのタイトル)
始まりはTwitter
防災士になったことを友人に伝えたところ、
「レスキューナースの辻直美さんのTwitterアカウントをフォローするといいよ!」
と教えてもらいました。
早速、覗いてみるとそこには
というメッセージが
ちょうどその時、どうすればたくさんの方に防災に関心をもっていただけるかについてISSHO NI の編集長と相談する中で、「楽しさ」を発信のキーワードにできないかと考えていたタイミングでした。そんなことも重なり、私は、このメッセージにすっかり心を掴まれました。
その後
インスタを発見!
すぐにフォローさせていただき、色々と勉強させていただく中で、また一つ心を動かされることが。
8月中旬のこと。東海・関東に台風接近のニュースがあり、台風に備えて準備をしていたのですが。。。
夫婦で備えに対する温度差がエグい!
我が家はハザードマップ上は浸水被害は予想されないエリアですが、万が一の停電などに備えて、私はカセットコンロ用のガスボンベを購入したり、ベランダのものを家に入れたりと考えられることをしていていました。でも夫はどこか他人事。
そんな夫に少しイライラしつつ、気持ちはわからなくもない。
次第に
なんだかんだいって結局上陸しないんだろうな
準備やめちゃおうっかな
と思い始めてしまいました。
そんな折、辻さんのインスタを拝見したところ、
というお言葉に、一瞬で心を撃ち抜かれました。
そうだ、避難訓練だと思えばいいんだ!(我が家は当該エリアではありましたが…)
何もなかったらなかったで「よかったね」でいい。
むしろ、これぐらい切迫しないと、やる気にならないし。
ということでもう一度、気持ちを入れ替え準備を再開。
結局、雨は大したこともなく済みましたが、本当に来るかもしれないという思いで準備したことで、より具体的なイメージを持つことができ、まだまだ足りないものがたくさんあることにも気がつくことができました。
相手は自然。完璧に予測することはできません。それでも技術の進歩とともに、事前に情報が入ることはありがたいと感じています。気象庁のみなさんいつもありがとうございます!
でも、
「来る来ると言っていつも結局来ないから、きっと今回も大丈夫。」
と気が緩んでしまうことは、よろしくないとも思っています。
そんな中、この「避難訓練だと思ってやる」という考え方はすごく建設的な考え方だと感じましたし、もっとたくさんの方に広めていきたいなと思いました。
運命の本との出会い
ある日のこと、いつものようにインスタを眺めていたら、こんな投稿が
このキャプションによると、辻さんのお部屋は「地震対策がされているにもかかわらず、『おしゃれ』と言われる」そうです。
これはまさに、私が求めていた理想の形でした。
私はビビリだし、できればガチガチに地震対策して安心して暮らしたいと思う一方で、いつ起こるかわからない日のために、日常を犠牲にして、味気ない部屋になるのもなんかテンション下がるよなー。どうしたもんかなー。
なんて、自分の中でも葛藤する部分がありました。そのバランスをどうとるのか、これから考えようと思っていたところ、この本のお知らせと出会い。もうこれは運命だわ!ということで本屋さんへGo&Get!
読んで最初に思った率直な感想は、これはみんな読んだ方がいい!でした。
そんなこんなで辻さんに完全に心が盗まれてしまい、ファンになったというわけなんです!
というわけでタイトル回収、ついつい話が長くなってしまいましたが、いよいよ本題です。
本のご紹介
大げさじゃなく一家に一冊レベルで置いていただきたい本なので、内容はぜひ手にとってお読みいただきたいのですが、私なりのおすすめポイントを3つご紹介します。
その1 リアルな被災例の数々
国際災害レスキューナースとしてご活躍される辻直美さん。これまで見られてきた、怪我やご遺体について、私たちが想像もしないような原因、死因について著されています。
普段、生活を便利にしてくれるもの、心を豊かにしてくれるものが、大きな揺れが伴った時、突然凶器になる恐怖。地震とはそういうものなのだと改めてその恐ろしさを知りました。
この他にも「そんなもので?」と思う驚くようなものが、怪我を引き起こす例が、命を奪う例が色々と掲載されており、それだけでも自分の部屋の見方が大きく変わりました。
防災グッズを揃えることはもちろんですが、まずは物を片付けようという気持ちになります。
その2 押し付けない優しさ(セカンドオプションの提示)
本の中では、地震に強い家づくりのための具体的な対策法がとても導入しやすい方法で提示されています。タイトルにもある通り、まさにプチプラでできるものばかり。
私も辻さんのお部屋のように、しっかりと地震対策したい!と思うのですが、実際にやるとなったら、これを全部やるためには、一体どれくらい時間がかかるんだろう…とちょっと遠い目になってしまうのも事実です。
と、そんな弱気な私をも包みこんでくれる優しさがこの本にはあります。それがセカンドチョイスです。
例えばキッチンは危険が一杯です。きちんと対策できるのが理想ですが、辻さんは、ここまでできないという人へのアドバイスとして
と書かれています。
そんなわけで現時点では、私はキッチンを後回しにすることにしました。まずは命を守るために、「キッチンから逃げる」を選択することに。もちろん、いつかキッチンもやる予定です!
これは、ほんの一例で、他にもおしゃれな家具を置きたいなら、好きな本を捨てたくないなら、など、単にやめなさい、捨てなさいというだけでなく、様々な選択肢を提示してくださっているところに、押し付けない優しさを感じました。
私のように「ガッツリ防災やりたい!」という人ばかりではないことは理解しています。本では、このように押し付けない形で表現されているため、そこまでの熱量じゃない方にもおすすめしやすいなと思っています。(実家の母にプレゼントする予定です。)
もちろんなんでもOKというわけではなく、ダメなものはダメときちんと言ってくださる強さもまた優しさというか、素敵だなと思いながら拝読しました。
その3 圧倒的な説得力
この本の帯に
・著者の部屋(=対策ありの部屋)
・お隣の部屋(=対策なしの部屋)
それぞれ震度6弱が襲った後の比較写真があります。
対策をすることで、同じマンションでもここまで被害に差が出るというのは驚きでした。
また、辻さんのお部屋で意外だったのは背の高い家具があったこと。
さらに驚いたのは本がたくさんあることでした。
元々地震が怖かったので、部屋には背の低い家具が多い我が家。あまり置くスペースがないので、本はかなり処分したのですが、それでもやはり子どもの本は増える一方で、正直どうすればいいんだろうと思っていました。
ですが、本の収納法、高い家具を置く場合の地震対策についてもわかりやすく採り入れやすいアドバイスが掲載されていて、気持ちが楽になりました。
目から鱗とはまさにこのこと。
正直、防災とインテリアはどちらかをどちらかをあきらめなければいけないと思っていましたが、本にはこうありました。
実際のお写真からその言葉が、より真実味を帯びて伝わってきます。
結びに
私がこの本を手にとった理由は、防災しつつ、インテリアを楽しみたいという思いからでした。もちろん、その点については大満足でした。
でも、それだけにとどまらず、この本から多くの知識を得ることもできました。それは過去の災害での事例もですが、日頃からの備え方、そして、さすが看護師さんと思ったのは、身近なものを止血に使う方法でした。
できれば家の中も、外出時も物は増やしたくないので、これまた目から鱗。普段使うものを上手に活用できる方法がこんなにあるのかという驚き、ますます防災の奥深さというか、まだまだ追求できることがあるんだなと思いました。
「一気に集中して、燃え尽きてしまわないように、がんばりすぎずに取り組みましょう!」と書かれていたので、今は、まず1日5分の片付けと、5分の防災対策タイムを取り、あえて集中してやりすぎないようにしています。
このように本の随所にちりばめられた気遣いのおかげで、自分が持続可能なペースを見つけて楽しみながらやろうと思うことができました。だから、怖いという気持ちよりも、さて、次はどこをどう対策しようかな♪というワクワクした気持ちで今取り組めています。
関東の人間である私がオモロイとかいうと、なんだかうすら寒くなりそうですが、あえて言わせてください防災はオモロイです!
そんな気持ちにさせてくれたこの本、そして著者の辻直美さんに心から感謝しています。
みなさんもこの本を読んで、一緒に防災&部屋づくりを楽しみませんか?
お読みいただきありがとうございました。
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