酒器 今宵堂

小さな戯れを盃に込めて。鴨川のほとり、日々の晩酌を愉しみつつ「呑む」ひと時に伴する器を…

酒器 今宵堂

小さな戯れを盃に込めて。鴨川のほとり、日々の晩酌を愉しみつつ「呑む」ひと時に伴する器を制作しています。https://www.koyoido.com

最近の記事

酩酊のタイポグラフィ

春の野は百花繚乱、宴に伴する盃の装いも古今東西色々。釉の色肌のみならず幾何学紋様に花鳥風月、そして「文字」もまた装飾として器に配されます。 呑み喰いのための道具に「文字」が記されるその意味は?盃中の詩歌は酒で揺らぎ、猪口の銘柄を見つめてはその味に浸る。呑んで詠んで呑まれて読んで・・・読みすすめば酒もすすむ、ふざけた小さな「酔む」酒器たちで、春の一笑をどうぞ。

    • ヨイドレゴンクエスト

      それは酩酊の限りを尽くす竜と勇ましき伝説の吞兵衛の物語。 今年は「辰」の干支酒器をハンズ京都店さんにお届けします。新年の訪れとともに新たなる旅路へ・・・そして泥酔へ・・・。

      • 呑ム碗グランプリ 2023

        なんでやねん、どないやねん。桜の下でちっこい猪口でちびちびなんてやってられるかいなホンマ。かめへんかめへん一升瓶からそのままドンと注いだってや~!そんなアウトドアな吞兵衛はんに、花見へ持ち出したくなる「呑ム碗」を。鶯鳴けば鰹節も踊る春の大阪。いつもより大振りなその酒器へ、笑いと愛をぎょうさん込めてお届けしまっせ~。

        • 今宵堂の干支酒器 卯ノ巻

          「ウサギはニンジンが好き」というのは、絵本のピーター・ラビットが広めたイメージ。しかもピーターが食べていたのは、実はラディッシュだったそう。ま、酔ってしまえばどうでもいいこと。 もしもしカメよ、カメさんよ。どうしてそんなにのろいのか。ここらでちょこっとひと休みと、ウサギはひっくり返っておちょこになりましたとさ。余裕綽々、いや余裕酌々で寝正月を。 月にうさぎがおりまして、杯(つき)にもうさぎがおりました。餅をつくのもいいけれど、燗で満たされた望月の中でゆっくり酔いに浸かりた

        酩酊のタイポグラフィ

          良寛和尚の般若湯器

          今日もさけさけ、明日もさけさけ。 越後の国の「良寛」さんは、禅僧にもかかわらず酒を好んだキュートな吞兵衛。 野酌して畦道で眠るなんて愛すべき酔っ払いそのもの。そう、お坊さんだって人間。「般若湯(はんにゃとう)」なんて隠語でお酒をこっそり嗜む密やかさもまた愛しく・・・。 庶民と人懐っこく酌み交わし、飄々とこの世を生きた良寛。ほろ酔ってふざけてみたような、小さな酒器たちをどうぞ。 良寛が詠んだ酒詩を写した「詩歌肴皿」。 器に書かれた詩を眺めつつ酔うのは、漢字という意味を持つ文字

          良寛和尚の般若湯器

          カムパネルラに乾杯を

          久しぶりに賢治の『銀河鉄道の夜』をめくったこの夏。 あらためて読んでみると、独特な言葉やその流れは、 どこか掴めなくふわふわしていて、 晩酌後のほろ酔いの時間のようでもありました。 旅は道連れ、銀河鉄道に相席したジョバンニとカムパネルラ。 彼らがそのままおじさんになっていたら、 酒場でも杯を合わせていたでしょうか。 ふたりの旅は、「友」を再認識する旅程。 彼らが旅したなんだか不思議な物語の景色を ふわふわした気持ちで酒器に映してみました。 夏の酒を注いで、星空の下の小さな

          カムパネルラに乾杯を

          山、笑う酒器

          道東に到来した春とともに開催された弟子屈「器とその周辺・山椒」さんでの『春の山椒展』。器をはじめ、曲げわっぱや蝋燭などの暮らしの道具、お豆や太口そうめん、伊勢ひじきなどの美味しそうなものが色々。今宵堂は「山、笑う酒器」と題して春の酒器たちをお届けしました。 「明るい春」というよりも、冬から春へ静かに移りゆくトーンの器たち。長い冬を越え、訪れた春暖を穏やかに楽しむひと時のお伴にと。 会期終了間際には、会場の窓から見える千島桜も咲いたそうです。道東の春風は、きっと吞兵衛さんの

          山、笑う酒器

          啓蟄のテーブル

          巣ごもりの虫、戸を啓く。 ほのかな春の光に誘われて、土から顔をのぞかせる虫たち。 陽気を感じてそわそわし始めるのは、呑兵衛もまた然り。 四季それぞれを六つに分けたものが立春・春分・夏至などの二十四節気。 そしてその各節気を三つに分けたものが七十二候。 日にすると五日ほどの儚いこの季節の呼び名に添って、 小さな生きものたちをテーマにした早春の酒器をどうぞ。 土脉潤起 (つちのしょううるいおこる)Rain moistens the soil・2/19〜23 立春を終えると節

          啓蟄のテーブル