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山、笑う酒器
● 「春の山椒展」
2022年 4月29日(金)~ 5月8日(日)
11:00 ~ 16:00(会期中無休)
会場 / 器とその周辺 山椒
北海道川上郡弟子屈町湯の島3-3-25
電話 / 015-482-2666
◎特別企画
・京都 今宵堂 「山、笑う酒器」
・ニセコ 和菓子工房「松風」 季節の和菓子
※ DMはこちら
道東に到来した春とともに開催された弟子屈「器とその周辺・山椒」さんでの『春の山椒展』。器をはじめ、曲げわっぱや蝋燭などの暮らしの道具、お豆や太口そうめん、伊勢ひじきなどの美味しそうなものが色々。今宵堂は「山、笑う酒器」と題して春の酒器たちをお届けしました。
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「明るい春」というよりも、冬から春へ静かに移りゆくトーンの器たち。長い冬を越え、訪れた春暖を穏やかに楽しむひと時のお伴にと。
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「掛分盃」
呑兵衛ならばどこでも酔いたい。
酒を外へ持ち出すための携帯水筒を模して薄型の徳利に。
春の野に出た気分でちびちびと酒を嘗めれば、酔いもまわり春風も吹く。
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升で呑む酒もいいけれど、今宵は鱒を酒に泳がして。
酒面がゆらめき酔々と・・・酔いがすすめば心地よく、
鮭と鱒の違いなんてよきに計らえ。
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景色を覆っていた白が次第に薄らぎ、晩冬は初春へと。
来る春の嬉しさと去る冬の寂しさ、その移ろいを酒とともに味わう夜を。
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菜の花畠に入り日薄れ見わたす山の端、霞ふかし。
もやもやと目前が霞むのは、春の霞か酒のせいか。
たなびく景色を眺めつつ、いつしか記憶も朧げに・・・。
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「白瓷盃」
ちょいと湯につけてひと息、アチチとつまんでぬる燗でも。
目前が湯煙に霞むように酔いもまわって春が来る。
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春の休日、自転車を走らせ出かけた平安神宮。
汗ばむ陽気の蚤の市で見つけたのはイギリスの木版。
雑然の中にそっと佇んでいたクラシカルな花柄を小さな肴皿へと映して。
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どちらも懐石の木皿を粉引の装いに。
縁の浅い楪子(ちゃつ)は酒卓に伴して肴や菓子の小さな舞台へと。
筒型の豆子(づつ)は菜を盛るのみならず、
酒を注げばすこし「ずつ」とはいかない嬉しさ。
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徳利がsake bottleなら、こちらはsake pot。
まだあるかなと中をいやらしく覗きつつ
酌するのんべ・・・いや紳士のお手元に。
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今回のDMの色にあわせて焼いてみた平盃。
青い空も実りの大地も喜びの色。
春の穏やかなひと時を円な酔いとともに楽しめますように。
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筒瓦の先端は、古人が見上げた軒先の浪漫。
秦漢の時代の瓦當(がとう)から象った鳥獣紋の肴皿。
山野のいきものたちも春の訪れとともに動き出す。
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梅は咲いたか桜はまだか、杯は空いたが酌はまだか。
待っていたのは春だけではなく酒もまた。
会期終了間際には、会場の窓から見える千島桜も咲いたそうです。道東の春風は、きっと吞兵衛さんの紅い頬を優しく撫でてゆきますね。西に住む自分達ももう一度春を遡るように楽しみつつ制作した展示でした。
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