「本当の退職理由がメンタル不調だということは隠した方がいい？」の相談に対して伝えていること

メンタル不調が原因で退職に至った人の転職サポートをすることもあります。

そこで、ほぼ必ず相談されるのはコレです。
「本当の退職理由がメンタルが原因だということは、言わない方が良いでしょうか？」

個人の事情も知らずに、一概には言えないので、私はかなり慎重にコメントするようにしています。まずは一般論を伝えています。

メンタル不調というのは企業から敬遠されてしまう傾向がやはりまだまだ根強くあります。レッテルを貼って除外しているわけではなくて、他の候補者もいるなかで、積極的に優先度を上げる考えになりにくいということです。

そして企業が主に心配しているのは「不調は完治していて、特別な配慮がなくてもパフォーマンスが発揮してもらえるのか」、「うちに入社してから同じような不調に陥ることはないか」の2点です。
ここまでは一般論です。

だから、メンタル不調になった過去を隠して応募するというのは、転職者側からすると、そうしたい気持ちはよくわかります。

もし、企業側に特別な配慮（少し休憩を多めに取るとか、業務量をやや少なくするとか、通院するとか、決まった時間に服薬するとか）が一切不要で、「知っておいてもらう必要すらない」と考えるのなら、私は隠す選択肢もなしではないかなと思います。

ただ、メンタル不調から復帰をするわけなので、やはり企業側には「知るだけ知っておいてもらった方が安心」だとは思うんです。
だから、理想を言えば、メンタル不調を隠さずに公表した上で、それでも対応をしてくれる企業に転職できたらベストだと思います。

結果的に転職活動には苦労するかもしれません。

でも、大事なのは入社した後です。

だから、できればメンタル不調による退職であることをオープンにして、企業側に知っておいてほしいことを履歴書に書き添えて、応募活動を進めることを、どちらかといえばおすすめしたいです。

繰り返しますが、症状も背景も個人差が大きいので、相手の様子を見ながら、押しつけにならないよう、慎重に伝えます。

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ちなみに、転職エージェント会社は応募者がメンタル不調であることを応募先企業に伝える責任は負っていないことがほとんどです。転職エージェントは調査会社ではないので、人物の保証には限界がありますから。

契約書に「そういう責任はとれません、あくまで貴社が選考してください」という趣旨の文言が含まれていることが通例です。

そもそも病歴などは機微情報であって、本人に代わって口外してはいけないものとなっていたように認識しています。（たしか法律でそう規定されていたかと）