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新規事業の進め方は、ロールプレイングゲームに似ている

最近、いろんな方から新規事業開発のプロセスをどのように構築するかというご質問をもらうことが多かったので、僕が新規事業開発のプロセスを検討する時に意識していることをまとめました。なのでこの記事は、WHITEの体系化された具体的なやり方を提示することが目的ではありません、僕の考えを整理するために視点だけ記載していますので、具体的なやり方を知りたい方はコメントいただけると嬉しいです!
*あくまで視点は、企業内での新規事業担当者が意識すべきポイントです。起業家の方や、独立してやろうと思われている方には余計な考え方かもしれませんがあしからずご了承ください。


企業内の新規事業開発に潜む、意思決定の壁

起業家が新たな事業を実現する場合とは違い、企業内の新規事業担当者が組織内で実現するためにはいくつもの承認プロセスが存在します。

企画者の上司の意思決定者、関連部門の部門長、さらに上の役員など突破しなければならない意思決定の壁があります。新規事業開発自体が、非常に不確実性の高い挑戦ですが、企業内の意思決定では「本当に儲かるのか?」という確実性を求められるケースが非常に多いです。
こういった、壁を突破する最も有効な手段は「儲かる」という確証です。しかし、これが難しい。
そのため、市場に出すには不確実性が高すぎると言うことでプロジェクトが頓挫することが多く、運良くトップダウンで実行指示がでても、不確実性が高いまま市場に出すために多額の投資を行うという博打のような進め方が多いです。
今回の記事では、まず新規事業のプロジェクトを進める初期段階で意識するべきポイントを中心に記載します。


新規事業実現のプロセスはゲームに似ていて、ゲームより自由で難易度が高い

何層にも重なる意思決定の壁、これを突破してはじめて新規事業は実現します。(勝手にやっちゃいました!という突破方法もあるのですが、これは別の機会に書きます)
僕はこのプロセス作りがRPG(ロールプレイングゲーム)にすごく似ていると思っています。新規事業のプロセスは簡単に言うと、「仮説立案→仮説検証」を繰り返し、不確実な部分を検証の積み重ねで明らかにしていきながら、各意思決定者のツボを押していって突破するという流れになります。
まさに、RPGの主人公が目的達成のために、ダンジョンを進み、経験値をためて、技を覚え、仲間を集め、各ステージのボスと戦っていく流れをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
RPGの場合は、だいたいどんな道を辿ればボスにたどり着くか、やっつけるためにはどのくらい経験値を積めば良いかわかります。新規事業の場合は、何からはじめるのが良いのか、実現するためのプロセス自体を検討するところからはじめるので自由度が格段に高い状態です。そのため、どのRPGよりも難易度は高いです。(だからこそ面白いのですが)
では、そんな自由なゲームの初期はどのように進めればよいのでしょうか?


ゲーム(新規事業開発)初期に検討すべき4つのポイント

RPGだと初期設定バッチリで迷いなく進められるのですが、自由度の高い新規事業開発には初期設定がないことが大半です。プロジェクトの初期設定として考えておくべきポイントを説明します。
下記、ポイントはプロジェクトがはじまる前から設定できれば最高です。が、走りながら定義していくでも問題はありません。

<検討すべき4つのポイント>
●主人公(私たち)はなぜ旅にでるのか?(目的を明確にする)
●最終ゴールまでにどんなボスを倒さないといけないか?(実現までに社内のどこを突破しないといけないか?)
●大事な戦闘の前には必ずセーブする(仮説立案→検証で、失敗がした時にゼロからではなく直近のプロセスから再スタートできるようにする)
●ボスを倒した後、世界をどう変えたいのか?(どんな事業アイデアを世に実現したいのか?)

1.主人公(私たち)はなぜ旅にでるのか?(目的を明確にする)

プロジェクトの初期には何をすべきかが曖昧な状態です。RPGの場合は、明確な目的と次の目標が示されますが、(だいたい悪い奴にあれやこれややられたので、街を代表してやっつける)新規事業の場合、目的のようなものはありますが、人それぞれ認識が違ったりします。

「この方向に進むべし」という明確な舵取りを行うために、なぜこのプロジェクトしなければならないのかを言語化(文章化)しましょう。このプロジェクトで最も大事にすべきことが何かチームで認識を持てれば、途中で迷走しかけても立ち戻れます。また、あらゆる事項への優先順位がつけられるようになります。
RPGで考えた時に、目的がはっきりしていない主人公に付いて行こうとは誰も思わない。(すくなくとも僕はそんなヤツに命は預けません)


2.最終ゴールまでにどんなボスを倒さないといけないか?(実現までに社内のどこを突破しないといけないか?)

企業の場合、事業実現のためにいろんな意思決定者への上申を突破しなければいけません。RPGで言うところの最終ボスまでに出てくる中ボスたち含むです。幸いにも、企業内の新規事業開発における意思決定者が誰なのかを知ることは可能です。であればどんな意思決定者がいて、どんなツボがあるのかを知ることは実現のために必要な情報(武器)です。ある程度明確になってくると、各ツボをおさえられる情報(武器)を用意できる道筋を行くべきだと自然に判断ができるはずです。


3.大事な戦闘の前には必ずセーブする(仮説立案→検証で、失敗がした時にゼロからではなく直近のプロセスから再スタートできるようにする)

事業開発は仮説立案と検証の繰り返しが重要です。なぜ重要か。こちらもRPGで考えると簡単です。ある程度レベルが上がった時、勝てるかわからない敵と戦う前、など今のステータスを維持するためにセーブを行うと思います。これらは、失敗した時にまた最初の街でレベル1からスタートするのを防ぐためです。
新規事業開発のプロセスにも上記同様のセーブポイントを設置することができます。僕は、仮説を立案し、検証し、確からしさが見えてきた検証済み仮説のことをセーブポイントと呼んでいます。
大きな事業アイデアを一気に上申して戦う方法もありますが、個人的にはギャンブル性が高すぎてオススメできません。小さいことでも検証済みの仮説を確実に増やしていき、得られた情報からまた新たな仮説を立案する。そのサイクルを短期間で細かく回して行って、事業アイデアを研磨していく、時にピボットしていくのが不確実性の高い新規事業に、確実性を積み重ねながら進められる方法だと考えています。上申先とも、大きな承認を一気に得る前に、この領域でこういう仮説を検証しています。そして、この検証は実現までにこういう風に繋がっています。という、繋がりと検証項目を明確にした状態で進めると上申突破のハードルが下がったりします。


4.ボスを倒した後、世界をどう変えたいのか?(どんな事業アイデアを世に実現したいのか?)

RPGの世界では、最終ボスを倒したら「世界に平和が戻った…」的に終わりますが、新規事業においてはむしろここからがスタートです。最終意思決定者にYESと言わせる、かつチームメンバーが実現したいと心から思えるアイデアを発想するためには、どういう情報に触れて、なにを考えていけばよいかをはじめに考えて、言語化してみることが大事です。企業内の新規事業開発は、予算も期限もある程度決まっています。そのリソースの中で最大限の成果を生み出すために「なんでもアイデア発想してみる」では前にすすみません。どんな領域に、どんなインパクト(影響の大きさ)の事業を起こしたいのかを明確にしてから、アイデアは発想すべきです。
*完全に余談ですが、よくある社内公募型のアイデア募集から実現までというプロジェクトで、なかなか良い結果が得られない。というお話を伺うことが多くなってきましたが、大きな原因の一つはこの領域の設計が甘いことが多いです。


以上、4つのポイントを意識して新規事業の初期はプロセスを考えています。(この4つのポイントはプロセスではなく、プロセスを考えるためのポイントです。)ここから、実際に仮説検証を繰り返しながら、実現に向けてすすめていくのですが…「で、儲かるの?」攻撃がはじまります。もし需要があれば次回に、「で、儲かるの?」にどのように答えて行くべきかを書いていこうと思います。

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