見出し画像

【ビッグファイブ】協調性を構成する要素6選

この記事では、ビッグファイブの1要素である協調性についてまとめます。外向性と同じように、6つの要素を紹介します。今回もコスタ博士による分類をベースとして、IPIPと呼ばれるパブリックドメインの指標を利用しています。


1. 信頼(英語:Trust)

この指標は、他人の意図や言動をどれくらい信じるかを表します。この特性が高い人は、人は基本的に道徳的で信頼できると考える傾向があります。
高い人は、こんな人
人は善人であると思う、人の言うことを信じる、すべてうまく行くと思う
低い人は、こんな人
他人は本質的に悪だと思う、他人をすることには裏があると思う


2. 道徳性・誠実性(英語:Morality)

この指標は、正直で誠実な行動をするかどうかを表します。この特性が高い人は、道徳的な価値観に基づき正義感を持って行動する傾向があります。
高い人は、こんな人
規則に従う、税金をごまかすことは絶対にしない
低い人は、こんな人
出世のためにお世辞を使ったり不正な手を使う、自分のために他人を利用する、規則をうまく回避するのが得意、人に圧力をかける、他人への関心を装う、他人の計画を邪魔する


3. 利他主義(英語:Altruism)

この指標は、他者の幸福を自分の利益よりも優先するかを表します。この特性が高い人は、利他的な行動や他者への配慮をよく行う傾向があります。
高い人は、こんな人
おもてなしするのが好き、他人のニーズを予測する、他人を助けるのが好き、他人に関心を持つ、誰に対しても褒め言葉をかける
低い人は、こんな人
他人を見下す、他人の感情に無関心である、人を不快にさせる、他人のために時間を取らない


4. 調和性(英語:Cooperation)

この指標は、他者との共同作業や調和を重視する性質を表します。この特性が高い人は、他人との衝突を避け、協調的に行動する傾向があります。
高い人は、こんな人
物事に対してすぐに満足しやすい、対立が苦手、強引な人だと思われたくない
低い人は、こんな人
弁が立つ、議論するのが好き、反論するのが嫌ではない、人を怒鳴ったり侮辱したりする、他人に仕返しをする、根に持つ


5. 謙虚さ(英語:Modesty)

この指標は、自己の能力や成果を控えめに評価したり、自己誇示を避ける傾向があるかどうかを表します。この特性が高い人は、謙遜したり控えめな態度を取ったりすることが多いです。
高い人は、こんな人
みんなの注目の中心になりたくない、自分について話すのが苦手、自分を平凡な人間だと考える、自分をアピールすることはめったにない
低い人は、こんな人
自分が他人より優れていると信じる、自分のことを高く評価する、自分なりの考えを多く持っている、自分の美徳を自慢する、自分が注目の中心になるように努力する


6. 共感性(英語:Sympathy)

この指標は、他人の感情や立場に共感し、理解しようとするかを表します。この特性が高い人は、つねに他者の感情を感じ取ろうと努力していて、共感力が高い傾向があります。
高い人は、こんな人
ホームレスに同情する、自分より悪い状況にある人を思いやる、競争より協力を重視する、他人が悲しんでいると辛くなる
低い人は、こんな人
他人の問題に興味がない、心優しい人のことが好きではない、「目には目を、歯には歯を」は正しいと思う、社会的弱者のことはあまり気にしない、自分で自分を守るべきだと思う、弱い人が弱いままであることが我慢ならない



ここまで、6つの要素を紹介しました。協調性という名前を見ると、この特性が高いほうが人間として良いのではないかと思ってしまいます。しかし、この特性が高すぎると、他人に過度に合わせすぎてしまって心身が疲弊してしまったり、言うべき意見を言えずに悪い結果をもたらすこともあるかと思います。(日本語では、協調性ではなく調和性と訳すケースも多くあります。)
ですので、協調性は適度に保つのが、社会的にも、個人としても生きやすいと考えます。


参考文献
6つの性格特性は、コスタ博士の分類に対応した、IPIPのもの(パブリックドメイン)を使いました。
IPIP: International Personality Item Pool
https://ipip.ori.org/IPIP300-120ComparisonTable.htm


他の指標はこちらから





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?