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【ビッグファイブ】情動性を構成する要素6選

この記事では、ビッグファイブの1要素である情動性(神経症的傾向)についてまとめます。外向性などと同じように、6つの要素を紹介します。今回もコスタ博士による分類をベースとして、IPIPと呼ばれるパブリックドメインの指標を利用しています。


1. 不安(英語:Anxiety)

この指標は、潜在的な脅威や危険に対して常に心配し、不安を感じる傾向を表します。この特性が高い人は、日常生活において不安や心配を感じることが多くあります。
高い人は、こんな人
物事を心配する、最悪のケースを恐れる、ストレスを感じることが多い、一つの問題に悩む時間が多い
低い人は、こんな人
あまり悩むことはない、いつもリラックスできている、何が起きても簡単には動揺しない、すでに起こったことには悩まない、状況が変わっても適応できる


2. 怒り(英語:Anger)

この指標は、怒りやイライラを感じやすく、少しのきっかけで怒りを爆発させる傾向を表します。この特性が高い人は、気分が急激に変動しやすいです。
高い人は、こんな人
すぐに怒ってしまう、イライラすることが多い、何かが起きると動揺してしまう、よく機嫌が悪くなる、気性が荒いと言われる
低い人は、こんな人
めったにイライラしない、めったに怒らない、簡単にはイライラしない、冷静を保てる、めったに文句を言わない


3. 抑うつ(英語:Depression)

この指標は、悲しみや無力感を感じやすく、落ち込みやすい性質を表します。この特性が高い人は、一般的な挫折や失敗に深く反応し、落胆しやすい傾向があります。
高い人は、こんな人
しばしば憂鬱に感じる、自分が嫌い、しばしば落ち込む、自己評価が低い、気分の変動が激しい、絶望を感じる、人生の向かう先が分からない
低い人は、こんな人
めったに憂鬱にならない、自分自身に満足している、自己評価が高い


4. 自己中心的(英語:Self-Consciousness)

この指標は、自分自身に過度に意識を向け、他人の評価や反応に敏感である傾向を表します。この特性が高い人は、内向的で自己中心的な悩みが多いことがあります。
高い人は、こんな人
しばしば怖じけづいてしまう、自分が間違ったことをしていないか心配になる、他人との交流は苦手だ、目立つのは苦手だ、友達といるときだけ安らぎを感じる、口ごもってしまうことがある
低い人は、こんな人
恥ずかしいと思うことはあまりない、見知らぬ場所でもリラックスできる、複雑な人間関係に悩まされない、自己主張できる


5. 衝動性(英語:Immoderation)

この指標は、衝動的で自制心が低く、欲求に対して抑制が効かない傾向を表します。この特性が高い人は、感情や欲望のコントロールが苦手です。
高い人は、こんな人
よく食べ過ぎてしまう、自分が取った行動の理由が分からないことがある、後悔することがよくある、度を越えた行動をする、食べることが大好き
低い人は、こんな人
めったに行き過ぎたことはしない、誘惑に抗うのは得意だ、欲求をコントロールできる、決して自分の経済力以上の出費をしない、浪費しない


6. ナイーブ(英語:Vulnerability)

この指標は、ストレスや圧力の状況下で効果的に対処する能力を表します。この特性が高い人は、プレッシャーに弱く、緊張しやすい性質を持ちます。
高い人は、こんな人
しばしばパニックになってしまう、出来事に圧倒されることがある、物事に対処できないと感じる、優柔不断なところがある、感情に飲み込まれることがある
低い人は、こんな人
プレッシャー下でも落ち着いている、複雑な問題を扱える、ストレスへの対処法を知っている、逆境を乗り越えられる、緊張した状況でも冷静でいられる



ここまで、6つの要素を紹介しました。ビッグファイブの他の指標と異なり、情動性は低い方が良いとされています。ただし、あまり高すぎても、人の心が分からない、正論を振りかざしているように見える、などの問題があります。どの指標もほどほどの高さであることが、社会的にも、プライベートでも生きやすいのではないでしょうか。


参考文献
6つの性格特性は、コスタ博士の分類に対応した、IPIP(パブリックドメイン)を使いました。
IPIP: International Personality Item Pool
https://ipip.ori.org/IPIP300-120ComparisonTable.htm


他の指標はこちらから


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