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祇園祭 鉾建ちました

 18時過ぎに仕事を終え、疲れたし今日は電車で帰るかと阪急烏丸駅へ向かったのだが、駅へなだれ込む人の多さに吐きそうになり、面倒だが歩いて帰ることにした。

 地上へ上がると意外に風が心地よく、ひさびさに私は正しい選択をしたらしい。
 昨日は大阪で仕事があり、四条烏丸界隈には来なかったし、朝は一心不乱に独り言をつぶやきながら出勤するのが常であるため(8月12日の涌井大宴会で上演する演目の稽古です)あまり周囲の景色が見えないから、地上に出て驚いた。鉾が建っとる。

函谷鉾



 長刀鉾は帰り道ではないためチェックできなかったが、四条烏丸を西に入ったところにある函谷鉾はまだ完成していないがすでに勇壮ではあった。そこから室町四条北の菊水鉾と南の鶏鉾を眺め、いちばん好きな月鉾の側を通りすぎる。おとといまで無かったものが突如現れ、それに対して不思議に思わないことの不思議。もちろん、町内の皆さんが長年受け継がれたやり方で鉾を建てているのであるが、作業中の姿を見ていないとどうしても突如現れたように見えてしまう。

これが私が大好きな月鉾
菊水鉾はブルーシートにくるまれていた
鶏鉾の向こうでちょっと前に火事があった



 洗濯も風呂洗いも洗い物も料理もその他あらゆる名前のない家事も全部母親がやってくれていたから「結果」しか知らなかった幼少期を思い出す。明日は少しくらい、建ててるところを見たいと思う。

 ところで今日の京都新聞の夕刊に掲載されていたのだが、かつて祇園祭の神輿に先駆けて歩いていた武者行列が、来年にもおよそ半世紀ぶりに復活するらしい。休止されるまで長らく担ってきた東山区弓矢町の住民が、甲冑を新調するなどして準備を進めている。なんでも「来年は甲冑姿で行列を復活させたい」と意気込んでいるらしいのだが、本当に大丈夫なのかと不安になる。今日は涼しかったが、35度越えの日もあるなか、甲冑姿で巡行に参列するなどというのは、思い入れの無い身からするとなんの罰ゲームやねんと思ってしまう。

 別にそれで「絶対にやめるべきだ」とか、部外者のくせに声高に叫ぶつもりはないが、実際に危ないのは間違いない。夏の高校野球大会にも同じことを思うが、近年の猛暑は命の危険と隣り合わせである。熱い思いには少しくらい水を差す関係者もいてほしい。

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蠱惑暇(こわくいとま)こと涌井慎の著書『1人目の客』と1人目の客Tシャツは是非ウェブショップ「暇書房」にてお買い求めください。
8月12日(月・休)に西院陰陽(ネガポジ)にて開催する「涌井大宴会mini(仮)」でも販売します。よろしければご来場ください。

というわけで、暇書房のウェブサイトは↓

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