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■呪われた児童文学『にんじん』の真実【怪談・怖い話】

フランスの作家ジュール・ルナールが書いた話なんだが、あれ、マジで鬱だ。主人公の「にんじん」、本名すら呼ばれない少年が、家族に虐待され続けるって内容なんだが、実はもっと深い闇が隠されてるんだよ。

実母が相手国の兵士にレイプされてできた子がにんじんだったって話、知ってるか?だから、家族の中でにんじんだけ髪の色が違う。母親は、その出来事を思い出す度に精神的に追い詰められ、結果的ににんじんに対する虐待が始まった。こんなことが児童書に含まれるなんて、ちょっと信じられないよな。

にんじんは友達と思ってた同級生を無意識にいじめ続けて、最終的には退学に追い込んでしまう。だが、彼にはその意識がないんだ。ただ、自分が家族から受けた行動をそのまま繰り返していただけなんだ。笑いながら窓ガラスを割るにんじんの姿、想像できるか?これは泣く方法を知らない彼の悲しい自己表現だ。

でも、もっと恐ろしいのは、彼の唯一の拠り所である父親にも最終的に見捨てられてしまうことだ。父親だけはにんじんをいじめないから、彼にとっては特別な存在だった。でも、その父親も最終的には彼を見捨てるんだよ。これがにんじんの運命なんだ。

ルナール自身の家庭環境もかなりメンヘラで、父親が猟銃で自殺し、母親は井戸に飛び込んで自殺したって話もある。だからこそ、『にんじん』の話には彼自身の痛みが詰まってるのかもしれない。こんな背景があると知ったら、ますます後味の悪さが増すだろ?

ところで、この話にはさらに奇妙な都市伝説があるんだ。にんじんの実母が亡くなった後、彼女の霊がにんじんを訪ねてきたって話だ。夜中ににんじんの部屋の窓が突然開き、冷たい風が吹き込むと、にんじんの母親の姿が見えるというんだ。彼女は静かににんじんを見つめ、「ごめんね」と一言だけ言って消えるらしい。これはにんじんが唯一涙を流した瞬間と言われているんだ。だけど、その後にんじんはさらに心を閉ざし、完全に無口になったという話もある。

実は、にんじんの家にはもう一つの秘密がある。

彼が住んでいた家の地下室には、にんじんの母親がレイプされた時の証拠が残されていたという話だ。その地下室には、戦争時代の古い写真や手紙が隠されていて、それを見つけたにんじんは真実を知ってしまったんだ。彼はその後、地下室に引きこもり、自分の存在を消すように過ごしたという。

この話を聞いたら、にんじんがただの被害者じゃなく、戦争の悲劇そのものだって思えてくるだろ?彼の物語はただのフィクションじゃなく、現実の悲しみを反映しているんだよ。

ところで、にんじんの話を読んでると、なんか不思議なことが起きるって噂もある。例えば、夜中に読んでると、窓ガラスが突然揺れ始めたり、誰もいないはずの部屋から足音が聞こえたりするんだ。これはにんじんの霊が自分の話を誰かが読んでることに気づいて、訪ねてきているっていうんだよ。だから、夜中にこの話を読むのはやめた方がいいかもしれないな。

こんな話、信じるかどうかは君次第だけど、一度でも体験したら、もう夜中に本を読むのは怖くなるかもしれないな。

髪だけじゃなく、心根までが赤く濁っているから、にんじん――。
母親による執拗な虐待にも負けず、残酷な日々を生き抜く少年の物語。
「こんな悲惨な話だったのか」と驚くこと請け合いの名作。
にんじん――。髪の毛が赤くてそばかすだらけのルピック家の三番目の男の子はみんなからそう呼ばれている。あだなをつけたのはお母さんだ。お母さんは、にんじんに夜の暗闇のなかをにわとり小屋の扉を閉めに行かせたり、おもらししたおしっこを朝食のスープに混ぜて飲ませたりする……。だが、にんじんは母親のいじわるにも負けずに成長してゆく。自伝的小説の傑作。
【目次】
にわとり小屋/ヤマウズラ/犬/悪夢/人には言えないこと/尿瓶/うさぎ小屋/つるはし/猟銃/モグラ/ウマゴヤシ/金属製コップ/パンくず/ラッパ/髪の毛/川遊び/オノリーヌ/鍋/ためらい/アガト/仕事の分担/盲人/新年/休暇の始めと終わり/ペン/赤いほっぺ/シラミ/ブルータスのように/お父さんとの手紙のやりとり/家畜小屋/猫/羊たち/名付け親/泉/プラム/マチルド/金庫/おたまじゃくし/お芝居ふうに/狩猟/こばえ/初めてのヤマシギ/釣り針/銀貨/自分の意見/木の葉の嵐/反抗/最後の言葉/にんじんのアルバム/訳者あとがき
本文より
にんじんは知らなかったが、そのスープには昨日のあれが、もちろん、ほんのちょっぴりだけれど、シーツにたまったやつをお母さんが取っておいたものが入れてあった。(略)それから、ゆっくりと、ゆっくりと最後のひと匙をにんじんの口元まで運び、匙を喉まで押しこんで、中身を流しいれるように、一滴残らずにんじんに飲ませた。にんじんに向かって、こう言いながら……。「ほんとに汚らしい子ね。我が子ながら、嫌になっちゃうわ。いいこと? あなたは飲んだのよ。自分のしたものを……。昨日のものを……」(「人には言えないこと」)
ジュール・ルナール Renard, Jules(1864-1910)
中仏のシャロン生れ。パリに出て文筆活動を始め、「メルキュール・ド・フランス」誌の創刊に参加。小説『根なしかずら』(1892)で才能を認められ、自身の少年時代を題材にした『にんじん』(1894)に続き、『ぶどう畑のぶどう作り』(1894)、『博物誌』(1896)などの名作を次々と発表。戯曲にも手を染め、1900年『にんじん』の舞台化で大成功を収める。死後公表された日記も、日記文学の傑作として話題になった。


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