競技特異的動作の落とし穴
こんにちは。理学療法士のこうやうです。
今回は
競技特異的動作
に関して書いていこうと思います。
スポーツをしているアスリートがリハビリをする際に
まず考えなければいけないことですが
この動作について
いままで勉強した知見から
わたしなりに書かせていただきますので
よろしくお願いいたします。
それでは始めます。
競技をどう見るか
私の意見をズバリいうと
競技特異的動作の練習を
リハビリの時間にするのはもったいないと思います。
これは結構なとんでも意見だと思いますが
わたしであれば少なからず
実施する運動は
この特異的動作からかけはなれたものを組み込みます。
なぜそのように考えるのか説明させていただきます。
まずスポーツをすると
必ずついてくるのは
スポーツ外傷・障害のリスクです。
これは避けられるものではありません。
そのスポーツ独特の動作があるわけですから
身体もそれに適応した機能を構築していきます。
これはスポーツをするのに適した身体を作ることは
いいことではあるのですが
確実に運動のバリエーションが減ります。
例えば体操やバレエの選手であれば常に腰が反っていたり
野球をやっていれば投球側の肩が上になるような側屈位になっていたり
と日常生活に反映されてきます。
スポーツを続けると運動パターンというのが一定になってしまうのです。
競技的特異動作の弱点
この動作を強化するのは
もちろん大きなメリットがあります。
それは動作の再現性が高くなることです。
この再現性を高くすることはパフォーマンスにおいて非常に重要です。
例えばバスケットボールのフリースローやアーチェリー、
ダーツ、サッカーのフリーキックといったような
変化しない環境の中での正確性が求められる場合に大いに必要です。
しかし常に環境が変わり続ける場合はどうなるでしょうか。
対人での環境や動く対象(ボールなど)があると
その環境の変化に適応しながら
正確なパフォーマンスを発揮する必要があります。
例に挙げると駅伝の選手は坂や風といったような環境が変わるなかで
走行しているわけですが
ここで一定のパターンの走り方しかできないとなると
筋疲労で走れなくなるはずです。
実は人は無意識下で運動パターンを変えながら
動いているのです。
しかしここで動作の再現性が極端に高いと
一定の筋や人体などの軟部組織に負荷が集中し
スポーツ障害や外傷のリスクが高まるわけです。
つまり動作の再現性というのは
高すぎても低すぎてもよくないということですね。
しかしリハビリでもこの競技特異的動作を反復してしまえば
正確な運動パターンであっても
そんなにいい影響はないのではないでしょうか。
プログラムに組み込むのであれば
普段実施しないような動作を行うことで
感覚統合(体性感覚・視覚・前庭覚)を促進して
運動のバリエーションをより増やすのがいいのではないでしょうか。
運動経験をより増やすことが重要
運動経験はプールのようなもので
その容積が大きければ大きいほど
環境に適応した動きの再現が可能になります。
逆にその容積が小さければ
ある一定のパターンに動きが偏り
外傷、障害、疼痛に至るわけです。
私たちセラピストにできることは
コンディショニングだけではありません。
より運動経験を増やすアプローチもできます。
これはアスリートに限った話ではありません。
普段整形外科にくる痛みを訴えに来る患者も
これが当てはまります。
実際にご来院する患者様は
過去にスポーツを続けた経験がなかったり
ある一定のスポーツばかりしている人が多いです。
私たちにできることをより大きな視点で考えて
治療を考えましょう。
本日はこれで以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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