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触診による治療を再考する

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

触診による治療

について話していきたいと思います。

整形外科領域の理学療法では

触診技術がかなり重要視されています。

評価の中でも病態を推測するために

必要な技術といえます。

この触診に関して

わたしなりに話させていただきますので

よろしくお願いいたします。

それでははじめます。


触診は解剖そのもの

正確な触診には

深い解剖学の知識が不可欠です

解剖学書にあるような位置関係だけでなく

深さや表層の位置関係を知ることも重要です。

そしてターゲットとしている組織を正確に触ることができれば

治療になりえることもあります。

触るというだけで体への影響は大きいということですね。

触った後のROMや動きの変化を見ることで

その組織の影響を評価することができます。

そして最も影響のある組織の同定を行い

臨床推論を進めていくわけです。

まさに触診は解剖そのものです。

理学療法士特有の技術の真骨頂といえます。


インナーとアウターマッスルを触り分ける

この触診技術でも特にすごいのが

深層の組織を同定する技術です。

これは知識だけでなく

手指のより繊細な感覚が必要とされます。

はっきりいって私はできている自信がありません。

触診はこのように経験がものを語る技術でもあります。

こんなことをできる理学療法士は相当すごいことをしています。

というかこんな技術を持っているのは

理学療法士ぐらいじゃないでしょうか。


こんな素晴らしい技術ですが

ここで疑問を掲示していこうと思います。



本当に触ったからなのか

インナーとアウターを触り分けることで

その組織の効果判定を行えるわけですが

果たして本当に触れているのでしょうか。


例えば大胸筋とその深層にある肩甲下筋がありますが

肩甲下筋の触診の際には

大胸筋の下にある筋のため、深めに触り触診をしていきます。

そして実際に触診しROMに変化があった場合

肩甲下筋が制限因子だったということになるわけです。

しかしこれは

本当に肩甲下筋を触ったからなのでしょうか。

私は過去の記事でもお伝えしている通り

理学療法は中枢神経系への入力の結果と考えています。

インソールも足底への刺激によるものといえますし

徒手療法も同様です。

このように考えると

「肩甲下筋を触った」ではなく、「大胸筋を深く触った」

という影響が強いと考えられるわけです。

つまりいえば何筋をさわったからというよりも

圧や手指の部分といったような触り方による影響のほうが強い

と私は考えます。

例えば軽いマッサージはC線維が反応し

振動はパチニ小体、ストレッチはルフィニ小体といったように

機械受容器が反応することで筋緊張に変化が生まれます。

触診をどこを触っているかという認識も重要ですが

触り方も重要になってくると私は考えます。



最後に

私たち理学療法士の治療ターゲットは常に脳です。

そのためには動作学、神経学の理解が不可欠です。

理学療法のパラダイムシフトが起きている今

考え方を一新しなければならないときがくるかもしれません。

常に情報を取り入れていきましょう。



本日はこれで以上です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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