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【書籍紹介】『地球をこわさない生き方の本』(岩波ジュニア新書)

『地球をこわさない生き方の本』(岩波ジュニア新書)を読みました。
タイトル通り、地球環境問題に関する書籍で、私たちの大量生産/消費/廃棄社会を厳しく批判しています。
論調が感情的なため、客観的・理性的な姿勢がある程度求められる書籍としては不十分と言えます。しかし、そのぶん現代社会への批判が強くなっており、社会問題を自分事としてしっかり認識するには良いでしょう。

特に、教科書で「朝鮮特需」と呼ばれている、朝鮮戦争向けの物資を生産し、儲けを得たことを「火事場泥棒だ」と厳しく断罪します。まあ、その通りですね。いわゆる「戦争経済」というやつです。危機に乗じて金儲けをする輩がいて、それは非道なのだと。
食料自給率についても問題視しており、たとえば伝統的な日本食でさえ、その原料を海外から輸入している実態を示し、危険性を述べています。いわゆる食料安全保障の問題です。戦争が起こって食料の輸入が止まるかもしれないし、輸入するだけの経済力が日本にあるのか?それか問題だと言います。

何が正しいかを決める基準が「儲かるかどうか」一辺倒になっている点を「金主主義」と痛烈に批判。
はい。全くその通りです。貨幣経済が浸透し、金なしで生きられなくなってから人々の心は腐敗しました。大企業や政治家だけでなく、国民も同じでしょう。とにかくこの点への批判が強いです。
いわゆる「経済摩擦」を起こした日本車輸出にもメスを入れています。相手国の産業を破壊するような物を売りつけ、批判されたら農産物の輸入を増やして攻撃をかわす姑息なやり方に怒りを表明。
これもその通りですね。


巻末には「地球を救う127の方法」と題して環境に優しい暮らし、行動を列挙しています。ここだけ読むのもありでしょう。
感情的な論調が強いですが、気になった方は読んでみてください。金とテクノロジーに溺れた現代人こそ読むべき本かもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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