幸運の笛吹き

北海道出身。3大趣味は「読書」「旅」「レトロゲーム」 大学時代読んだ本は400冊以上(…

幸運の笛吹き

北海道出身。3大趣味は「読書」「旅」「レトロゲーム」 大学時代読んだ本は400冊以上(哲学・思想→西洋文学→日本文学の順) 現在はまちづくり関連の本を読んでいます。 ひとり旅も好きで、JR北海道全線完乗(2016年時点の路線) 主要ゲーム機 「PS2」「ドリームキャスト」

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【挫折した大作に再挑戦】プルースト『失われた時を求めて』の読み方

1.完読が難しい理由文学好きであれば誰もが一度は完読を夢見る『失われた時を求めて』。しかし完読はかなりハードルが高い。まずはその理由を説明しよう。 (1)物語の時系列が複雑だから (2)比喩表現が多彩かつ複雑だから (3)登場人物が多すぎるから (4)知らない言葉がたくさんあるから 2.完読するためにできること(1)入門書を読む (2)引用文献、参考資料を読み込む (3)第1部 コンブレーを精読する 3.読もうと思ったきっかけ 大学時代、図書館で見つけた

    • アドベンチャーゲーム(主にギャルゲー)を楽しむための力

      0.はじめに今回はADV(アドベンチャーゲーム)を楽しむ力について考えてみます。ADVは選択肢を選ぶだけのゲームも多いです。よって、ボスが強くて進めない、あるいは謎解きが難しすぎるアクション・RPGや、自由度が高すぎて何をすればよいかわからないシミュレーションゲームよりは簡単に見えます。一見すると。 しかし、ADVにはADV特有の難しさ、とっつきにくさがあると私は感じています。そこで、今回は(比較的楽だとされる)ギャルゲーを中心に、ADVゲームの難しさ、とっつきにくさを取っ

      • 思考停止の日本人に告ぐ

        自分の頭でものを考えない。 自分と、せいぜい家族のことしか考えない。 国や地球のことなど、まるで考えもしない。共同体は解体され、エゴイズムは完成してしまった。 平気でポイ捨てする堕落ぶり。 自動車に魂を売る堕落ぶり。 真顔で新幹線に乗る堕落ぶり。 盆正月に毎年同じ場所が混雑する無能ぶり。 そして、やれ生産性がどうだの、効率性がどうだの平気で口にする矛盾ぶり。 速い乗り物がたくさんあるわりには、労働時間が短くならない無能ぶり。 アホか。 そしてワクチン。 何も考えず打つ。

        • 【随想・随筆】ディストピアは既に完成しているという話~現代社会の不気味さについて~

          現代社会がいかにシステムに依存し、人間というものを機械の如く扱い、その本質を理解しようとしていないか。そして我々の素朴な身体感覚がどれほど蔑ろにされた社会になってしまったか。最近そのことを強く実感する。 今回はそのことについて、実例を交えながら話していきたい。 まずはセブンイレブンのレジの話から。 前にもちらっと書いたが、セブンイレブンのレジでは直接的な金銭のやり取りはなくなり、代わりにレジにある機械の中へ金を入れるシステムに変わった。 そして、金を入れてからお釣りが出てく

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        【挫折した大作に再挑戦】プルースト『失われた時を求めて』の読み方

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          神社に親しむ暮らし~「縁結び」に物申す~

          普段神さまなんか微塵も信じちゃいないくせに、正月の初詣という名の終詣や例祭の日、後は受験や就職の季節になったときだけ神社に参拝して「ご利益」にあやかろうとするのは、正直言ってどうかと最近思っていた。しかもその願いというのも、世界平和などの高尚なものではなく、「学業・恋愛成就」「商売繁盛」などの極めて個人的なものばかりなのはいかがなものか。沢木耕太郎『旅のつばくろ』にもそうした類の主張がある。 まあ確かに、かつては私も初詣=終詣だった。というか殆どの人はそうなのかな。 しかし、

          神社に親しむ暮らし~「縁結び」に物申す~

          【旅の話】交通網・情報の過多時代における「旅」の難しさについて

          0.はじめに今や日本の国土では新幹線、高速バス、航空機などの速達交通網が発達し、短時間で様々な場所へ行けるようになった。加えて情報通信技術の発達により、旅先の情報を容易に得ることができ、また同時に発信することもできるようになった。ナビ機能によって道に迷うことも少なくなり、近くの飲食店を検索できるようになった。最近では入力する必要すらなくなり、音声認識システムまで搭載される豪華ぶりだ。伊能忠敬がこれを見たら目を回すに違いない。 多くの人はこうした技術の進歩を「可能性の拡がり」

          【旅の話】交通網・情報の過多時代における「旅」の難しさについて

          日本の謎規範「女性に歳を聞くのは失礼」を分析して物申す

          0.はじめにこんな記事誰が読むんだ、と自分でも思うが、書きたいので書かせてもらうことにする。今回は日本に存在する謎の規範「女性に歳を聞くのは失礼」について分析し、批判を加えたい。 まあこの時点で、 「こいつは女心がわからん奴だな」とか、 「そんなんだから【彼女】ができないんだよ」 とか宣う「方々」が出てきそうだが、そういうのは一切無視して話を進める。特に後者に関しては、こう反論させてもらおう。 「そんなんだから【彼女】という言葉から脱却できないし、それのみを基礎とした関係

          日本の謎規範「女性に歳を聞くのは失礼」を分析して物申す

          夏の甲子園に物申す~日本の歪なスポーツ観について~

          最初に言っておこう。「夏の甲子園大会が好きな方」及び「甲子園の批判は一言も聞きたくない方」はこの記事を読まないほうが良い、ということを。今回は夏の甲子園、というか日本社会における歪なスポーツのあり方を批判する記事となっている。 一応断っておくが、私は別に野球は嫌いではない。少年時代は同級生と野球で遊んでいたし、その思い出は今でも私の財産である。徒歩旅の記事でも書いてる通り、身体を動かす楽しさ、競技としてのスポーツの楽しさも知っているつもりだ。 ただ、スポーツをやっている、運営

          夏の甲子園に物申す~日本の歪なスポーツ観について~

          【悲報】北海道さん、ついにエアコンに魂を売ってしまう~日本の猛暑・酷暑問題に物申す~

          0.はじめに なんJのスレタイトルみたいだが、今回は猛暑・酷暑問題について語る。 北海道=涼しい、というイメージを持たれている方も多いと思うが、気温を見ればわかる通り、そのイメージは過去のものとなりつつある。事実去年は相当暑かったし、今年も暑くて眠れない日が既に何日も続いている。 もちろん、これまでも年に何度か熱帯夜はあった。しかし、数えるほどしかなかったし、そもそも大半の夜は気温が下がっていた。湿度も高い日はそんなに多くはなかったと記憶している。 しかし、去年及び今年の夏

          【悲報】北海道さん、ついにエアコンに魂を売ってしまう~日本の猛暑・酷暑問題に物申す~

          「零~紅い蝶~」の設定やその後を空想する 壱ノ想 「其後」

          久しぶりにPS2ホラゲ「紅い蝶」の考察というか空想をやっていこうかと思います。これまではストーリーの核心部分を深読みしてきました。今回はキャラの細かい言動や設定、物語の「その後」などを考えてみます。そのため、テーマはかなり多くなり、一度にすべて扱えないかもしれません。そのぶんは次回以降に回す予定です。 手元に設定資料があるわけでもなく、完全に私の主観的な空想でしかないですが、興味のある方はお読みください。尚、ネタバレを含むので未プレイの方はご注意を。 1.澪の「その後」まず

          「零~紅い蝶~」の設定やその後を空想する 壱ノ想 「其後」

          【書籍紹介】『まちづくりと景観』(岩波新書) 田村明 著

          田村明『まちづくりと景観』を読みました。 タイトル通り、景観を中心にまちづくりを考える本です。 ヨーロッパを旅して帰ってきた日本人の多くが、自国の景観を見てこう感じるそうです。 「これはひどい」 と。 高さや色が統一されていないビル、けばけばしい商業広告やネオン、醜悪な高速道路・バイパス、非人道的な建築物の代表である歩道橋、羊羹を切ったような無個性な校舎…。その他枚挙にいとまがないですが、日本にはこうした建築物が所狭しと設置されています。まあ皆さん見慣れた光景かもしれません

          【書籍紹介】『まちづくりと景観』(岩波新書) 田村明 著

          【読書論】積読と挫折、大学以前以後の読書について

          1.積読の定義今回は読書の話題、積読と挫折について語ります。 まず、言葉の定義から。 狭義の積読 :買ってから一切読んでいない本が溜まっている状態 広義の積読 :買って読んだが挫折した、あるいは中途の状態 最広義の積読:読了したが、意味不明で再読の必要があり、未再読の状態 だいたいこんな感じかと思います。 要するに、まだ読んでいない、理解が終わっていない本がある程度積まれた状態のことですね。一冊二冊なら積読ではなく【未読】と呼ばれます。 で、まずこの【積読】は悪いことなのか

          【読書論】積読と挫折、大学以前以後の読書について

          【書籍紹介】『完本 文語文』(文春文庫)山本夏彦 著

          山本夏彦『完本 文語文』を読みましたので、紹介します。 日本語のあり方について書かれた本です。 明治以降、日本が西洋化するに伴い、文語が失われ、口語に移って行ったことを著者は述べます。その上で口語の欠点を指摘します。 山本氏は口語の欠点として、リズム感の欠如、暗誦に堪えない点を挙げています。これに対し、文語はリズムがあり、暗誦しやすいことを説明します(そのぶん、歴史が長いせいで文法が固まっているため、類型的な表現に堕しやすいという欠点も認めています)。 かつては口承で言葉が

          【書籍紹介】『完本 文語文』(文春文庫)山本夏彦 著

          【書籍紹介】『港町食堂』(新潮文庫)奥田 英朗 著

          奥田 英朗 『港町食堂』を読みました。 タイトル通り、港町の食堂を巡る旅エッセイです。 出不精な著者が土佐清水、佐渡、礼文島、釜山など様々な港町を訪問し、おいしい食べ物を食べたり、美人ママに出会ったりと、ドタバタしつつもその様子が面白おかしく綴られています。 やや癖のある文体で、若干人を選ぶかもしれませんが、息抜きに読んでみてはいかがでしょうか。 簡単ですが、以上で紹介を終わります。 お読みいただき、ありがとうございました。

          【書籍紹介】『港町食堂』(新潮文庫)奥田 英朗 著

          【即興自由漢詩】夏雨(なつさめ)

          【夏雨(なつさめ)】 <白文> 夏 雨 蒸 暑 雫 滴 池 成 子 其 飛 避 大 其 不 知 子 其 聴 音 大 其 不 聴 子 走 明 笑 大 隠 暗 怒 子 涼 聴 風 大 暑 聞 械 子 楽 後 虹 大 憂 後 泥 大 厭 夏 雨 子 喜 夏 雨 <書き下し文> ※読み方自由なりて、これに限らず。 夏雨蒸し暑し。 雫滴りて池と成る。 子は其を飛びて避け、 大は其を知らず。 子は其

          【即興自由漢詩】夏雨(なつさめ)

          日本人が失ったもの

          「言葉」まずは言葉。豊かで多様な言の葉。これを日本人は失った。 何度も言っているが、この国は 「三十過ぎても彼氏と彼女」 というのが実態だ。要するに、語彙も思想も中高生時代から「まるで成長していない」わけだ。まあ酒・金・下半身のことばかり考えているのが大半だろうから、これはある意味当然の帰結ともいえるが、それにしてもひどすぎる。 言葉は思考の基本であり、これが貧弱だと思想も育たなければ、文化も社会も育たない。ずっと幼稚なままだ。 それから、この国はアメリカ崇拝をした結果、

          日本人が失ったもの