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【映画感想】Dr.コトー診療所(ネタバレあり)+ドクターコトー漫画 全巻無料】

この記事は6分で読めます。
📚 2022/12/30更新しました。

今回の記事は、この休みに一人で見に行った映画「Dr.コトー診療所」の感想記事です。
普段の書籍レビューとは異なりますが個人的にとても好きなドラマですのでご紹介いたします。医療ドラマというよりは孤島における人間ドラマだと感じております。

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なんといってもサントラが好きです。この音楽が流れてくるだけで劇場で涙を流している方々もいらっしゃいました。

1.Dr.コトー診療所のあらすじ

日本の西の端にぽつんと在る美しい島・志木那島。本土からフェリーで6時間かかるこの絶海の孤島に、19年前東京からやってきた五島健助=コトー(吉岡秀隆)。以来、島に“たったひとりの医師”として、島民すべての命を背負ってきた。長い年月をかけ、島民はコトーに、コトーは島民に信頼をよせ、今や彼は、島にとってかけがえのない存在であり、家族となった。数年前、長年コトーを支えてきた看護師の星野彩佳(柴咲コウ)と結婚し、彩佳は現在妊娠7ヶ月。もうすぐ、コトーは父親になる。

https://coto-movie.jp/story/index.html

2.物語の流れ *ネタバレを含みます*

序盤
・剛利(時任三郎)が、邦夫(前田公輝)釣り上げたカジキに足をえぐられる重傷を負う。そのことを茉莉子(大塚寧々)からきいた剛洋(富岡涼)は東京から島に戻ってくることとなった。
・島には東京の大学病院の御曹司:織田判斗(高橋海斗)が研修医として赴任し、診療所には島出身の看護師:西野那美(生田絵梨花)が勤めており、コトーや彩佳と島の医療を支えている。

中盤
・コトーをはじめとする島民全員から医者になった&島に帰ってきたことを歓迎される剛洋だが、実は医学部4年生まで進んだが奨学金が打ち切られたことを理由に、中退していることが判明する。
・コトーは織田判斗先生に自身の骨髄穿刺(マルク)の検査を依頼し、東京の鳴海医師(堺雅人)検体を見てもらう。判明する病名は”急性骨髄性白血病”

終盤
・島を超大型台風が襲い、傷を負った島民が次々と診療所に運び込まれる。コトー、彩佳、織田判斗、西野那美で傷の手当てを行うがコトーが倒れたり、彩佳が切迫早産の危機に陥ったりすることで医療提供の限界が訪れる。
・台風がさり、島民の生活は元に戻る。数か月後に診療所のメンバーが、歩き出すコトーと彩佳の子供を囲っている。子供を抱きかかえるコトーと子供の背中へ診療所の窓から光が差し込む。

3.感想

・なんといっても16年前と同じメンバーで(邦ちゃんは残念ですが。)島の現在を描いてくれたことに感謝しかありません。Dr.コトーはコトー自身の話でもあるのですが、ドラマ版ではやはり剛洋と剛利の親子がいてくれたおかげでみんなから愛される作品になったと感じており、富岡涼さんが演じる剛洋の現在を見ることができただけで大変満足です。また、特に高橋海斗さんですが登場人物として物語を邪魔したりせず重要な役割を担っており非常に良かったです。

・訳があって医者にまだなれていなかった剛洋ですが、私としては物語としても一番良い落としどころだと思いました。剛洋はドラマ版において中学で勉強についていけず苦労した描写があったりしたこともあり、何事もなく医者になっている未来を想像することができませんでした。映画の最後には再度医学部へ進み、再び医者の道を歩みだした剛洋というのがドラマ版でも見た”悩みつつ立ち止まりつつ前に進む姿”そのものでした。今度は医者になれるのか?医者として島に戻ってきてくれるか?はもちろんわかりませんが、希望のある終わり方でした。

・台風が来てからのストーリーのドタバタや、(友人に白血病がいるので)白血病の描かれ方には少し違和感を持ちましたが、伝えたいことは「この島の医療はコトー先生たった一人に島民全員が頼ってきたことで成り立っていた。」ということです。まだ体力のある医者が長く滞在してくれている間は確かに成り立ちますが、そこから先はどうなるのか?という島の医療を美談として済ませず、”その後”を見せることで私も医療について考えさせられました。

・島だけでなく、陸の孤島も含めて無医村になってしまっている医療について私として何か仕事や活動を通して貢献できないのかを強く思いました。今後の職種や働き方を真剣に考えたいと思います。

4.印象的なシーンと考察

(1)東京での出来事を語る剛洋とコトーの会話

剛洋「あの時、医者じゃない僕には何ができたのだろうと今でも考えてしまう」
コトー「そう思うのなら、君は医者にならなくてよかったよ」

医者じゃない自分には人を助けることができないと感じた剛洋へコトーが語るシーンです。意図としては人を助けるのに医者であるかどうかは関係ないということを伝えたかったのだとも思います。医者であることは手段の一つですので、人の命を救うためにあれこれ悩んでしまう状態では医者になっても上手くやっていけないというがあったのでしょうか。

(2)剛利と剛洋でお互いに謝りあう

剛洋「本当にごめんなさい」
剛利「医者になることにこだわり続けたのは俺だったな。すまねぇ」

剛洋が医者にはなれていなかったことが剛利に伝わってしまったことを剛洋は知ります。真っ先に「ごめんなさい」と謝る姿は昔の剛洋のままです。「なんでお前はすぐに謝る」といっていた若かりし頃の剛利の姿はなく、(あれほど憎んだ)医者だったのに今では(コトーのように)立派な医者に剛洋にもなってほしいと本当に願っていた一方で、そのことがプレッシャーになっていたのではと謝る姿が印象的でした。

(3)判斗が島民へ言い放つセリフ
判斗「たまたま五島先生みたいな人がいたからこの20年間、この島の医療は成り立っていた」
判斗「これが現実なんだよ」

コトー先生が体力の限界を迎えたとき、この島の医療は再び終わる。そのことに島民は気づいていたのか、気づいていなかったふりをしていたのか。コトーの自己犠牲の上で成り立っていたとしても志木那島には確かにコトー先生が必要でした。今回の難所を乗り越えたとしても、根本的には変わりません。腕があり自己犠牲をする新しい医者がまた来てくれるの探し続けるのか?ラストではコトーと彩佳の子供、剛洋、判斗、那美らの若い世代の希望が描かれましたが、どうすれば島の医療は成り立っていくのかを考えたくなりました。

以上です。

今までドラマ版しか見ていなかったのですが、KindleUnlimitedで原作漫画がいまなら全巻無料ですのでこの機会にゆっくり見てみようと思います。
2022/12/30更新

↑では値段表示がありますが、KindleUnlimitedでご覧になると無料です。

以上です。

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