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【壁シリーズ】養老孟司:死の壁【ビジネス書の感想・要約ブログ】

この記事は3分で読めます。📚 2021/12更新

今回の記事も自身のアウトプットという目的でのnoteです。

新入社員時から180冊読んできた中から、メモをぱらぱら見返しながら書籍の紹介記事を書いてまいります。最近も読書が増えています。

本日は最近KindleLimitedで無料だったので読んだ「死の壁」です。養老孟司さんの壁シリーズの二作目の著書ですね。

<こんな人におすすめ>
・死について考えたことがない人
・死について深く考えすぎてしまう人
⇒筆者の経験(戦時中、医者、医学博士)から死について説いています。

個人的評価:☆☆☆☆★ 

過去に死ななかった人はいない。人間の死亡率は100%なのだから――。誰もが必ず通る道でありながら、目をそむけてしまう「死」の問題に『バカの壁』の養老先生がズバリ解答!死にまつわるさまざまなテーマを通じて、現代人が生きていくための知恵を考える。逃げず、怖れず、考えた最終解答!

2021/12までAmazon Kindle Unlimitedで無料で閲覧できます。

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1.全体の感想

本書籍で全編通して語るのは「死」についてです。不確かな人生の中で唯一確実なものとしてテーマに挙げていますが、今まで自分自身がそこまで本気で考えたわけではないことを自覚しました。

「死」または「死体」とは古来は身近なものだったと筆者は述べています。日本でも身近な場所で土葬をしたり、インドのガンジス河にいたっては河を流れる死体すらあるとのことで、現代の日本人は死を身近に考えないのは確かに最もだと思います。

人は誰しも「死」を迎えるものであり、どう考えるか・向き合うかを考えるほうが重要である。特に印象に残ったのは、「三章:生死の境」「四章:死体の人称」でした。

2.本書の章立て

本書は以下のように構成されております。
※筆者がまとめた内容ではなく、筆者の話・独白を編集部の人間ががまとめたもので、正直ロジカルな組み立てになっていないところが読みにくい方はいらっしゃいます。

序章 バカの壁の向こう側
1章 なぜ人を殺してはいけないのか
2章 不治の病
3章 生死の境
4章 死体の人称
5章 死体は仲間外れ
6章 脳死と村八分
7章 テロ・戦争・大学紛争
8章 安楽死とエリート
終章 死と人事異動

3.印象に残ったこと

☆生死の境

人は死の瞬間は定義が曖昧なもの。心停止してもまた脈が戻ればそれは生きている。脳死を「死」としても、人間の身体の細胞は生きており死後も髭は伸びるというのは初めて知りました。すべての細胞が死んだとき、人は死んだものとみなすのか?しかしそれすら確かめる術はない。筆者自体も何か明確な答えをもって投げかけている問題提起ではないので、医学経験者からすると考え方にも色々な切り口があるのだと思えました。

☆死体の一人称、二人称、三人称

一人称の死体は自分自身の死体。二人称は身近な人の死体。三人称は今日もどこかで亡くなったどなたかの死体。と定義して話しています。人は絶対に一人称(つまり自身)の死体を見ることはできないのに、それについて悩んでしまう。見ることができないものについて悩むのは確かにおかしな話ですね。(だからこそ悩んでしまうのかもですが)

寝たきりの患者が死を迎えるにあたりどういう態度、姿勢をとるか。そして周囲にどんな影響を与えることができるかが人生の意味だとするエピソードは一種の答えだと思いました。

また、二人称の死体についてのエピソードでは「解剖の先生の遺体を解剖することになったとき、解剖学教室の学生でも躊躇った」というのが印象的です。どんな医者でも死に慣れることはなく、医者として患者と関わる以上、二人称として患者さんの死と向き合っているのかなと勝手に思いました。

4.まとめ

本書籍で全編通して語るのは「死」についてです。不確かな人生の中で唯一確実なものとしてテーマに挙げていますが、今まで自分自身がそこまで本気で考えたわけではないことを自覚しました。

人は誰しも「死」を迎えるものであり、どう考えるか・向き合うかを考えるほうが重要である。

バカの壁の内容とはかなり異なっており、全編で死を述べている書籍は珍しいのではないでしょうか。壁シリーズならではの独白形式のような語り口調で文章を読みたい方はぜひご覧になってください。

Amazon Kindle Unlimitedで無料で閲覧できます。

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関連書籍・記事はこちらです。
壁シリーズの第一作目:バカの壁の記事です。



以上



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