カオスな土地

小説

米兵「お金がもらえるからと軍隊に志願したが疲れた。なんのためにこの仕事をやっているんだ。」「また、米兵がやらかした。祖国や同盟国を守るためにこの土地にきているはずなのにいったい何をしているんだか。」

基地周辺に住む住人「今日も頭上からヘリコプターが旋回している。戦闘機が飛来すると、だいたい3機 離発着する。」

パタパタパタ~。ヒュンヒュンヒュン~。キーーーン。朝昼晩。あまり飛ばない日があることもあれば、頻繁に飛ぶ期間もある。

ガタガタガタと家のドアが揺れる。壁にもたれかかると振動を感じる。人の声やテレビの音がかき消されるのは毎日のことだ。産まれたときからこの日常が当たり前でまかり通っている。日常すぎて 麻痺している。 しかし、だんだん成長していくごとに、ことの重大さ異常さに気付かされる。

戦争の 一歩手前 で停止している状況となんら変わらない。

昔、宮森小学校に米軍機が墜落した。死傷者を多く出してしまった大事故いや事件だった。今もなお亡くなってしまった同級生のこと、関係者の記憶は消えることはない。意外にも身体の傷は治りが早かったり慣れてきたりするのだが、心の傷というのは治りにくいものだ。他人が端からみてその人の心がどのような色をしているのか どのくらいの傷の数、傷の深さがあるのかは見えない。

私は、当時のことを振り返って話せるのはまだいい方なのでは?と思う。話すことで 辛かったんだ という自分自身への浄化作用があるし、このようなことが今後起こらないように他者へ伝えることで 亡くなった方々への供養のようなものになるのではと思える。

辛い事実や体験を記憶に留め話せない人も相当つらかっただろうし、話して思い出すのでさえ辛すぎるのだと思った。

沖縄の基地のことを現地の人達は多くを語らない。

言ったところで ややこしいことになりかねない。

「 もし基地が無くなったら隣国が攻めて戦地や実行支配されるのではないか?」「沖縄県内であれば人口密集地ではないところへ移転したらいいのではないか?」

「基地があることで標的にさらされることに変わりはない。」「墜落事故、事件が止まない。大学にもヘリは墜落、最近では保育園、小学校にも機体の部品が落ちた。」

「よく事件や事故などがあると米兵に賞状が渡されているらしい。被害を最小限に抑えたとかなんとかで 笑」「日米地位協定は世界でも稀にみるほどの異様性がある」

「何十年にもわたり、沖縄県外に基地を移設しようという案がなぜ国会で深く審議されないのかが謎」

日本における 「法律」「自治」とは 沖縄 にあるのだろうか?

沖縄の県民性は 琉球のころから争うよりも助け合おうという精神性がある。今もなおそれは続いている。

もしも、沖縄を琉球にもどそうという案が出たら?隣国はきっとなんらかのアクションを出してくることが予想される。そのとき対抗、防衛する力を沖縄は用意できるだろうか?

もしも、沖縄の現状をこのまま放置しているとどうだろう?負の連鎖は消えない。まだまだ同じような事件、事故、冷遇された対応は継続されるだろう。

しかし、少なからず世界規模でみると国家間で起きる大規模な戦争は減っているわけでずいぶんと国際化が進んでいる。国家間での戦争が起きたなら即時に他の国に非難され国内からも反発運動が起きるはずだ。

「今、何ができるだろう?」

私は 沖縄の現状を 世界 に伝えることで何かが変わることを確信している。アメリカの退役軍人でさえ沖縄の基地があることでもたらされた 実情を告白している。

沖縄(琉球)だからこそ 武力を行使することなく 交流や絆 で人々の暮らしと発展を守ることができるかもしれない。

世界から武器や人を殺そうという思考が消えてなくなりますように。