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息子が目標だった大切な試合でメッタ打ち食らった話【中学硬式野球】

中学硬式野球でリーグの垣根を越えて日本一を争う大会、
ジャイアンツカップ

ボーイズリーグ、リトルシニアリーグ、ヤングリーグ、ポニーリーグ、フレッシュリーグ、
どこの中学硬式野球クラブチームも出場を夢みる大会です。

私には2人の息子がいますが、長男の時は、コロナで中止。

ですから次男はもちろん、私たち家族もこの大会にかける思いはひとしおです。

次男のクラブチームは、リーグだけのトーナメントで優勝を決め、いよいよジャイアンツカップ出場をかけて県代表決定トーナメントに出場。
県内1チームのみが東京でのジャイアンツカップ本選に出場できます。

次男は去年、上のレギュラーチームに帯同しており、すべての試合で先発登板を経験していました。
残念ながら去年は準決勝で敗退。
今年こそは本選へ!との思いで臨みます。



で、勝ち上がって迎えた今年の準決勝。

相手は有名選手を多数そろえる強豪クラブチーム。

YouTubeのいろんなチャンネルで特集される売れっ子集団。

一応下馬評はどちらが勝ってもおかしくない屈指の好カードとされており、勝利した方が全国大会に行けるという予想でした。

本来なら決勝で当たりたかったですが、いつかは倒さねばならぬ相手。

そして前日に、先発ピッチャーには次男が指名されました。

前日からわくわく感が抑えられない様子で、相手選手のインスタやYouTubeを鬼チェック(笑)
「DM送っちゃおーかなwww」とか言いながら熱心に見入っていました。
まあ、緊張の中にも自分への自信があったみたいです。
兎にも角にも試合を非常に楽しみにしているようす。

ただ私は、チーム関係者からの期待を強く感じていたので、か~なり緊張しておりました。


準決勝当日

球場前の駐車場で相手チームと初対面。

で、衝撃。。

次男チームも身体が大きい選手が多いのですが。。
一目で胸板、太ももなど、次男チームよりも大きい選手が多いことがわかります。

次に相手チームの試合前ノック。

高校生が受けているのかと見まがうレベル。
身体がデカいだけでなく動きもいい。肩も強い!
「こりゃ、今までのチームとはちゃうぞ。。」
私の気持ちが押されてしまってました。

相手ピッチャーは、次男が進学希望の高校がある県のライバル校へ進学するとのうわさ。
それをつかんでいた次男は、絶対に負けたくないとの想い。
高校で対戦した時にで舐められたくないと言ってました。
多分、相手の選手は何とも思ってないでしょうが(笑)


試合開始

次男チーム初回攻撃はあっさり無得点。

相手ピッチャーは淡々と切れの良いボールを投げ込む速球派投手。
レベルが高い。

次男チーム自慢の先頭3人でも、相手のテンポを全く崩せず。

そして1回裏の守り。

相手先頭は、超名門高校へ進学とうわさの左打者。

初球ストレートは、ドンピシャで弾いたライトポール際への大ファール。
あぶね~。。。

長男の高校野球をたくさん観てきた私からしても
「この子、入学即1年でレギュラー獲るんちゃう??」ってなスイングスピードと確実性。

次男のストレートの球速は、中3 6月時点で125km前後。
全国レベルの中では、遅くはないがメチャクチャ速い!てことでもありません。

よって本人も「僕はコントロールと変化球で組み立てるピッチャー」と自任。
特にスライダーとカーブには絶対の自信を持っていたようです。

そして何とか追い込んでからの勝負球。
いつものように三振を奪いに、左バッター内角低めへ自信を持って速いスライダーを投球!

この日のキレ、コントロールとも悪くはなかった。。

しかし、バッターはストライクゾーンからボールゾーンへ曲がる地面スレスレのスライダーをすくい上げ、逆方向左中間深くへスリーベース!

すくい上げたのに、打球速度エグイ。。

「あれはボール球だった。俺のスライダーを、しかもボール球をあそこまで持っていかれたのは初めて…」

そこから次男もチームもリズムを崩し、長短打にエラーも絡んで1イニング5失点。

野球の怖さを知った中学生の図

しかもランナーを残した状態で1アウト取っただけで人生初のノックアウト。
変わったピッチャーも流れを変えられず1イニング一挙11失点。。

今までの人生では経験しなかった失点数に、次男、ベンチでチ~ンと黙っちゃってたみたいです。

結成当初から強いと言われていた次男チームとしても、
何ともショッキングな4回コールド負け。
打線も最終回に1点を返しただけ。

まあ、まったく流れは来ませんでした。。

初回の11失点が。その他のイニングは0点だということが悔やまれる。。

初回以外は0点で抑えたということが、なおさら次男の責任を感じさせます。

そして目標だったジャイアンツカップ本選出場は、叶いませんでした。


次男は、帰りの車中では今までにない静かさ。

前をぼーっと眺めてる感じ。

帰宅後、シャワーを浴びて何も言わずに夜まで自分の部屋に籠っておりました。
私はたいした野球選手ではなかったので、挫折は何度も味わってきましたが、チームに迷惑を懸けてしまったという罪悪感が彼をさらにおとしいれているように見えました。

それでも夜はいつも通り、チームが所持している夜間練習場へ練習しに行ってました。(うんうん、偉い偉い!)

夕食時にぽつりと
「今日のチームは別リーグだからリベンジできないけど、せめて夏はリーグで全国制覇したい。それと今日の連中は高校野球で絶対倒す」
と。

私からは、

  • 焦らなくてもいい、これからの努力次第で巻き返せる。

  • 打たれたシーンを頭に焼き付けておくこと。

  • 今日の悔しさを野球ノートに書いておくこと。

  • 初心に戻って、自分を信じて、もう一度エースを獲る気持ちで今日から練習すること。

とだけ伝え、その後は一切触れることはしませんでした。


次の日

学校から帰った次男は、チームから送られてきた昨日のピッチング動画を何度も見返していました。
本人、やる気スイッチが入ったようです。

やる気スイッチが入るのに遅すぎることはない!


野球人生って短い間に、何度も挫折を味わいます。
失敗の方が多いスポーツですから当然ですが。

でもその挫折が選手を成長させてくれます。

今の悔しさを心の底から味わう、味わいきる。
悔しがりまくる!

そんな気持ちにしっかりと向き合うことができる選手が、成長します。
写真のコールド負けスコアは、いつまでも大切に持っておこうと思います。

そして、挫折の場を与えていただいた相手チームや自チームに心から感謝の気持ちで一杯になりました。

やっぱり野球って素晴らしい。

これからも連続挫折野球人生は続きます!
長男も私も連続挫折野球人生だった。

親は手を差し伸べることなく、応援し続けます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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