ナイトウォーキン/夜の街
夜の街が好きだ
夏の匂いのする風に吹かれて
行き交う車や人の騒めきに
心を奪われて
自分がどこにいるのかさえ
分からない
そんなひととき
夜のしじまの
鋪道を歩く
コンビニの明かり
ガソリンスタンドのボード
昼間は人通りの多い商店街も
今は寝静まって
ガランとしている
酒場の軒先に出されたゴミ袋
消されたネオンの下で
死んだ様に睡る
点滅しているだけの信号機
駅前の広場に並んだ暗いバス
そのタイヤの隙間から
野良猫達が駆け抜ける
一体何処に行くのか
ビルの向こうに生い茂