見出し画像

『カントリーソング』

僕が生まれた
この町は
都会とは離れた
静かで何もない町

畑がずっと続いてる
建物より畑が多いほど

だから人の心に余裕が生まれる
優しさを忘れないでいられるのかな

いつの間にか日は暮れて
なんだか切なくなって
人恋しさに焦がれる

思い出の多さにいつの間にか
この町から離れられなくなった

白黒写真の中に
閉じ込められた思い出は
あの日吹いていた
風までは刻み込めない

稲穂を風が撫でている
もうじき稲刈りの季節だね

振り返れば長く険しい道も
たどり着いてしまえばあっという間で

懐かしいいくつもの
笑顔が浮かんで消える
出会った人たちの面影

忘れたなら思い出せばいい

今日生まれた産声が
夜明けよりも早く私の耳に届くよ
昨日の雨が嘘のように
晴れた青空に あなたを思った
元気にしてるかな
ねえたまには電話のひとつもください

いつの間にか日は暮れて
なんだか切なくなって
人恋しさに焦がれる

思い出の多さにいつの間にか
この町が愛しくて仕方なくなった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?