「産地不明の肉のような怪異体験の魅力」
怪異現象っていうのはある種のとあるシチュエーションの提供というか、明確な何かをこうですよ、と提示するものではなく、書き手、あるいは取材者さえもその話の中身、あるいは本質をわからない状態でおそらくこれは何かの恐怖的体験ではあるが、名も知れぬ得たいの知れない某かであるくらいの理解で、はいどうぞ好きに食べてくださいと提供することがもしかしたらほとんどかもしれない。
でもそれは明確に聞いた話であり、明確に恐かったり不思議だったりするのに、中身が一切わからない封の切られていない合成肉