📚️影絵草子の怪異大辞林🌳

怪談師、怪談作家です。 語り名:マシンガンジョー 恐い話を趣味と実益で日本各地で…

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怪談師、怪談作家です。 語り名:マシンガンジョー 恐い話を趣味と実益で日本各地で聞いて集めて書いて話してます/稲川淳二の怪談グランプリ2021/怪談最恐戦2021東京予選/怪談王2022、23関東予選大会/島田秀平のお怪談巡り/単著 茨城怪談、屋敷怪談

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最近の記事

メーデーメーデー

言葉にしたら後悔するのか 言葉にしなくとも後悔しそうだ 風は南向き 感度良好 さえぎるものはない 夏のただ中 ぬけるような青空    今日こそ言葉にしよう タイミングなどない 今がその時 もはや潮時 メーデー メーデー 聞こえますか、こちら地球 今がかきいれ時 晴れて満ち潮 メーデー メーデー 聞こえますよ、 こちらも地球。

    • 12月25日

      あなたに 逢いたくなって名前を呼んだ 目覚めたら すべて夢だと気づいた 夜明け前の小さな駅の色褪せたベンチで 空を見上げながら 鼻先を赤く染めながらはにかむ 今年はクリスマスには雪が降るらしい 寒いのが苦手なあなたはさぞや着込むんだろうな あなたのためにと 買ってきたプレゼントは あなたは歓んでくれるかな 落とさないように右手で握りしめ 届けるよあなたの手元へ 笑った顔が とても好きなんだ 幸せとは何度観ても飽きない映画のように ありふれた毎日を愛するのと似ているな 光の

      • 実話恐談・《禍の相》手相

        手のひらに走る手相が、見るごとに変わるので、手相の本で運命線を見つけられずにあきらめた幼少の記憶。 #怪談 #恐い話

        • 実話恐談・《災の相》チキンソテー

          カチカチに冷えたチキンソテーが冷蔵庫に入っている夢を見た日に限って、翌日必ず怪我をする。 だからチキンソテーは好んでは食べないし、味どうこうではなく見るだけで吐き気がしてしまい、二十歳を越えてからは食べられなくなってしまった。 #怪談 #恐い話

          実話恐談・《忌の相》祖母が人をコ○シタかもしれない話

           祖母が昔、寝入り端に聞かせてくれた話は戦時中の話だったはずなのに、少しずつ歳を重ねるにつれ、人をコ○シタ話に変わっていくのがとてつもなく、恐ろしくそんな話をしたとすれば祖母はどんな気持ちで自分に話したのだろうと思うのである。 #怪談 #恐い話

          実話恐談・《忌の相》祖母が人をコ○シタかもしれない話

          実話恐談《異の相》秒読み

           関東の北部にある田舎町の小さな踏切で、 その日大川さんは数名で肝試しに来たという。 踏切の向こう側に佇む女の子を見かけた。  20くらいだろうか。 色白で長い黒髪。痩せた感じの薄幸の美人という印象。  「ねえ、誰かと待ち合わせ?カレシ?」   大川らの質問攻めに怯まずに、  「さんぽ」と若者らしからぬ返答。  友人の指原にいきなり、「あなたのおばあさん98で亡くなってるのね」  当てずっぽうでも当てるのはすごいじゃないかと 指原は祖母の享年を的中させたこ

          実話恐談《異の相》秒読み

          ラヴソング

          もうずっと胸に仕舞っていた 気持ちを いつ言葉にすればいいのか 考えている間にまたひとつ季節は巡ったよ 君を僕だけの瞳に映したくて それだけが叶うならば どんな未来でも僕は笑っていられるから 悲しいほど お金も名誉もない ましてや 自信もないし僕には何もないのかもな だけど 君を思うときだけは 幸せな気持ちになれたりするんだよ ※今日も日は暮れて 町には夕焼けのオレンジ色が建物も人も 真っ赤に染めている  子供たちの姿も消えた公園で 誰も乗ってないブランコが風

          実話恐談・《魔の相》一致しない

           飛田くんの知り合いに吉田という同級生がいるが、明るい性格からか、クラスの人気者だったと全員が覚えているのに、一人一人吉田の顔と体型と声が一致しない。  当時、担任だった古池先生曰く、そんな生徒は受け持った記憶はない、だそうだ。

          実話恐談・《魔の相》一致しない

          実話恐談《奇の相》・降霊会あるある

           小学生のとき、降霊会っていうのに参加したことがある。  その降霊会ではテーブルターニング式で、  机に乗せた人の手が動かしてないのにも 関わらず動くといったちゃちなもの。  すぐに抜け出してしまったが、参加した 同級生の話では、テーブルに置いた何人かの手が 勝手に浮いたのだという。  「でもね、明かりを持つ手が暗闇のなかで15本上がったんだけど、    5人しかいないから 両手を上げたとしても10本しか上がらないわけなんだけど  残り5本は誰の手だったのかいま

          実話恐談《奇の相》・降霊会あるある

          トリロジー

          何もない 空っぽから ふと 生まれた 小さな 小さな命 笑って 泣いて たまに 怒って そうやって築かれた情緒を 積み重ね 折り重ね なんとなく いつの間にか ここに咲いていた 名もない花 一輪 回り 回る 巡り 巡る 世界が世界をトレースしていく そこで続く おかしな劇 とある概念に とらわれた心は 正しいも間違いもなく そこにある 出来合いのルールに沿って ありのままの世界を 見てる 境界を飛び越えて 今日から明日へ ダイブする 意識 イエスとノー 二つの選択肢

          光射すほうへ

          今、目の前にいる大切な人は あなたにとってどれだけ 大切な人なんだろう 指折り数えてみたけれど 該当する大切な人はあまりに多すぎて 数え上げたらきりがないみたいなんだ 優しさよりも 一番遠くにある はずの 厳しさを教えてくれる 生まれ落としてくれた人や 育ててくれた人 叱咤激励をくれる 友たちの声が 僕を人たらしめている 不器用な手つきで 危うい歩き方で 平均台から落ちないようにと バランスを保つことに疲れたよ 常識では計れない たとえば真昼の電車内で見る 優先席をゆずる

          東京タワー

          あなたには大切な人はいますか? その人の背中を見たことがあるかい? 悲しみをきっとたくさん抱えてるのに 言葉にはしないで笑っているんだよ 強がりと言ってしまえばそれまでだけど 優しい人は 悲しくても笑ってしまうんだ 誰かのことを ふと何気なく思うとき 胸の真ん中に まず最初に思い浮かぶ 人は誰ですか?その人があなたの大切な人 夜の街にそっと灯った きらびやかな明かり 333メートルの 高い東京タワーに 君とのぼって 見下ろした街は とてもきれいだった

          君は僕の先をいつも歩いている

          夏の終わりに いつもの河原に来てみた 長月も半ばに入り少しは過ごしやすくなったかな 汗ばんだ体を拭いながら 橋の上から流れる川のゆるやかな流れをただ見ていた 君と歩いた 道もいつからか足が遠ざかり来なくなってしまった 変わりゆく町並み 途絶えた手紙 君は今元気でいるだろうか 幸せだった記憶だけを 覚えていられる訳じゃないから 思い出にはいつも影がつきまとうけど 夏祭り 着物姿のあなたが僕より 先を歩いていた それだけのことなのに ようやく人混みをかき分けて 追

          君は僕の先をいつも歩いている

          車窓

          一人の寂しさを忘れていた こんなに一人が寂しいなんてさ 笑ってしまうじゃないか つないだ手がゆっくりと 離れていくとぬくもりも一緒に跡形もなく消えてしまう 河原で自転車練習をしている父娘(おやこ)を帰り道で見たよ 転んでも立ち上がり何度も自転車に乗っては 乗りこなすまで 泣きながらも懸命にペダルを漕いでいた 名も知れぬ君からもらったひとかけらの勇気で 長い夜を越えられるかな 孤独を分けあうだけの そんな冷めた関係だったなら 愛しあうことなどハナからしないほうが賢明かもな

          まばたき

          どうして 大切なものは 儚いものなんだ ほんの少しの まばたきの 間にあなたは いなくなって しまいそうで 雨が地上に 落ちるような 生涯が人と町を 命と体をつなげてる 嗚呼百年の孤独をどれだけ 愛せるか  嗚呼宛もなく夏は駆け上がり 空はもう黄昏時を迎え 振り向き様に笑う誰かの姿が 愛しくて もはや言葉は 僕たちの間にはいらないみたいだ。

          雨宿り

          僕があなたを大切に思うように あなたも誰かを大切に思っている 他人と自分の境界を引く線が 町に駅の路線図みたいに引かれてる あなたの足元にも僕の足元にも 「愛」なんて曖昧なものを持ち出してその境界線がぼんやりとしている 実は引かれてる線は案外、簡単に越えられるのかもな 雨が他人と自分の邪魔な境界線を消していく ひとつの屋根の下で雨宿りをする数分が 君にとってどんな意味を持つのかな 僕にとってどんな結果を生むのかな 雨は強くなるばかりで弱まる気配はない しばらく雨