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短編小説

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#小学生

短編【すきじゃないけど】小説

死んだ人を見たのは、これが初めてだったから、ちょっとびっくりしちゃった。
だって、おばあちゃんは生きていた時よりもキレイだったんだもん。
死んでキレイになるなんて不自然だと思った。

だけど、そんな事は言わない。
思った事をそのまま口に出すと大人は困ったような、参ったようなみょうな顔をするのを私は知っているから。

あの顔つきは、どんな言葉を使えばいいんだろう。
勇人なら、きっとぴったりはまる言葉

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短編【雨】小説

短編【雨】小説

『雨

暗雲たる運行は陰鬱なる余韻
鵺の秘めたる悲鳴に
明朗な我も滅入ろう
嗚呼、曇天はいずれ破れ
粘り気の雨が降る
粘り気の雨に濡れて
涙も雨情と化す

栄江田小学校 5年 4 組 鷲見泉勇人』

小学校教師、山本一樹は何とも言えない複雑な溜息を深くついた。
これが、小学生の詩か?

『雨』
こくごの時間に一樹が生徒に与えた詩のタイトルである。
書いたのは鷲見泉勇人だ。
読書家ではある。

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