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でしょう

いつも一人でいるっていうことは、他人の意見を聞く機会がすごく少ないっていることでしょう。ということは、考え方が独善的になって、他人の考え方やものの見方が生活にまったく入ってこないっていうことでしょう。それって、すごくつまらないんじゃないかなあ、自分からは見えない景色をふとした瞬間に自分以外の信頼している人に提示されて、それに気づいて、それを実際に見たり聞いたり、味わったりする瞬間こそ生きているな、なんて思える瞬間だし。

それで面白いのかな、自分の好きなものの殻に閉じこもって、その枠内入ってこないものは拒絶するというか、自分の中に受け入れようとは決してしないで、それで面白いというか、生活していて楽しいのかな。

だって、あなたが一人だけでいたら予想以上のことは起こらないでしょう。
いつものように眠って、起きて。起きたら一緒に寝ていた恋人が起きていて、珈琲を入れて持ってきてくれたなんて、自分が起きた瞬間には決して予想していなかった現実が目の当たりになって、こんなことが起こるんだな、なんて現実を体験することは決してないんでしょう。

そういったことが起こることはない。

でも、自分が好きだな、と思えたことに対して、自分が持っている時間の全てを費やせることができる。自分の体が持っている力の全てでそこに向かうことができる。自分が満足できることができる。できなかったらすべて自分のせいにできる。誰のせいでもなく、自分の責任で生活を送ることができる。嘘もなく、毎日ひりひりしながら、張り詰めたロープの上を歩くような緊張感で、自分の引いた線の上を歩いていって、落ちてはまた上がって、また上がってを繰り返して、そんな毎日を繰り返して、少しずつ少しずつでも自分の好きなものとか、感性とか、研ぎ澄まされているような感覚を得て、好きなことについてどこまでも話せられる人を、見つけられたりして。そんな瞬間に自分のことを少しは信頼できるようになって。

そんな生き方が好きだと思って、私は満足しながら生きているのかもしれないと思った日。

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