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十五夜に逢瀬を重ねる恋人たちの詩(欧陽脩『生査子』)

今回取り上げるのは欧陽脩の漢詩からの言葉。

月は上る柳の梢の頭、人は約す黄昏の後
(読み:ツキはノボるヤナギのコズエのサキ、ヒトはヤクすタソガレのノチ)

欧陽脩『生査子』

月が柳の梢の先に差し掛かっている。
私たちは黄昏すぎに会う約束をしているのだ。

という意味。

正月十五日の夜にこっそりと逢引きをする約束をした、恋人たちの姿を詠った詩です。

月が柳の木の上に差し掛かっている様子と、相手が約束通り会いにきてくれるのかというドキドキ感がイメージできて、とてもロマンチックだなと感じます。


さて、どうして突然この漢詩をご紹介したかといいますと、本日(9月29日)が十五夜だからですね。

十五夜とは旧暦の8月15日のことなので、今の暦に直すと1ヶ月程度ズレが発生します。

そのため十五夜の日は毎年変わってしまうのです。

なんとなく名前からのイメージで15日前後のような気がしてしまい、結構忘れがちかもしれません。

私もすっかり忘れていたのですが、皆様はお月見などはしましたか?

私はうさぎのお饅頭を買って、ちょっとだけお月見気分を味わいました。

ちなみに、今年は9月29日が十五夜でしたが、来年は9月17日で、再来年は10月6日だそうです。

10月とかになるとハロウィンムードの方が強いかもしれませんね。

いずれにせよ、季節的な行事は歴史や古典が絡むことも多いので、これからも大事にしていきたいなと思いました。

月は上る柳の梢の頭、人は約す黄昏の後
(読み:ツキはノボるヤナギのコズエのサキ、ヒトはヤクすタソガレのノチ)

欧陽脩『生査子』

本日は十五夜にちなみ、正月十五夜に逢引きを約束した恋人の漢詩をご紹介しました。

漢詩は読み上げた時のリズムが素晴らしいのはもちろんのこと、その場その場の情景が鮮やかに思い浮かぶところも素敵だと思っています。

これからも時々漢詩をご紹介する記事を挟んでいきたいなと思っていますので、少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。


気軽に漢詩を楽しみたい方にはNHKラジオの「漢詩を読む」がおすすめです。

ちょうどNHKテキストの新刊も発売されたところですので、この秋は漢詩を楽しんでみるのはいかがでしょうか?


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