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愛機と煙草と、僕の日常。

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煙とカメラをこよなく愛する男の備忘録。愛機で撮った写真たちとともに、日常で感じた様々な想いを綴ったドキュメンタリーです。是非、一読いただきたいノンフィクション作品になっております。
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嗚呼 #008

嗚呼 #008

あとがき
言葉は美しい。そして、脆く切なく暴力的で、諸刃の剣だ。人を癒すことも勇気づけることも、傷つけるも、間違えれば人を殺めることだって出来る。言葉は盾にもなるし矛にもなりうる。まさに、武器そのものだ。生憎、僕の写真にはそこまでの力はないと、最近思い始めた。だから、僕は「言葉」を綴ることにした。脳から分泌される言葉を紡ぐようにして、気まぐれな日記としてこれからも発信し続けていく。

【嗚呼】とは

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嗚呼 #007

嗚呼 #007

12月7日
イライラする原因は、僕自身にあることに気づいた。世界は他人が作っているようで実は自分が作っている。自分が変われば世界の見え方も変わる。

今日は父から郵便が届いた。過去の個展の資料だ。A4フォルダーに整理整頓された資料がみっしりと纏められている。父は画家だ。村役場を退職してから、アクリル画のカルチャースクールで絵を学んだ。ある個展で準大賞をとってからというもの、勢いが付き、どんどん絵を

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嗚呼 #006

嗚呼 #006

12月6日
西米良に住む母からクール宅急便が届いた。中身は、手作りの惣菜と皮だけになった柚子。柚子はお風呂に入れろということだった。柚子風呂、楽しみだな。

Instagramのおすすめに旅客機のコックピットからの様子とそこからの眺めが流れてきた。そうだった、僕は幼少期からパイロットになりたかったのだ。自分ではあまり覚えていないが、祖母が生きていた頃によく聞かされていた。「お前は、ヒコーキの運転手

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嗚呼 #005

嗚呼 #005

11月22日
室温25度。湿度52%。僕は半袖に半ズボン。僕にとっては今が一番過ごしやすい気候条件なのかもしれない。最近は固定支出を見直すことにしている。どうも僕は衝動的に買い物をしてしまう癖がある。最も癖ではないのかもしれないのだが‥‥。先日、主治医に聞いてみたら、「沖縄に移住した時に増えた薬が意欲増加の作用があって、それが影響しているかもしれない」とのことだった。それを止めて丁度今日で10日目

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嗚呼 #004

嗚呼 #004

11月5日
憎たらしいほど青い空。そこに白い月が浮かぶ。僕は煙を吹かす。ニコチンがカラダ中に沁み渡る。血液を巡って全身に行き渡るのがわかる。クラクラしてくる。これが最近の朝イチの日課。これがないと一日が始まらない。スマホを打つ親指が止まらない。「書きたい。兎に角、書きたい。今の想いをぜんぶ書き留めておきたい。」

煙草は依存性がある。ニコチン成分だ。しかし、僕の飲んでいる薬にも依存性がある。煙草は

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嗚呼 #003

嗚呼 #003

11月2日
今日は秋雨。今日もベランダで煙を蒸す。透明のビニル傘をさした男が、珈琲を両手に大事そうに持ちながら、柿塚写真館の前を歩いている。「誰と一緒に飲むのかな?奥さんかな?」。そして、ヤクルトレディーが大通りを三輪バイクで飛沫を上げながら疾走していく。今日も乳酸菌をお客さんのもとに届けている。なんでもない日常がとてつもなく愛おしく思える月曜の朝。

11月3日
文化の日。明治天皇のお誕生日。夜

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嗚呼 #002

嗚呼 #002

2020年11月1日
朝八時、ケータイのアラームが鳴る。僕はベランダに出る。僕は8階から下界を見おろす。「ここから飛び降りたらどうなるんだろう‥‥」そう思って、いつも見ている。女子大生に当たって、その子も死んだ、というニュースが頭を過る。「今日はやめておこう‥‥」。きっと体もバラバラになる。流血も酷いだろう。それを見た人は一生トラウマになる。ここが「自殺のマンション」だと周りからは呼ばれ、住人も迷

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嗚呼 #001

嗚呼 #001

はじめに
僕のニックネームはKOU。三十路を迎えようとする29歳の冬の朝に、突然、パニック状態になり、そして不安障害を発症した。。。これは、そんな男の日常を綴った日記である。不安障害にはまだまだ不明なことが多く、決定的な治療法が確立されていないのが現状のようだ。だから僕は自分の今の想いと日常の行動と、そこから得られる結果をここに纏めていこうと思う。

この日記が、同じ不安障害で悩み苦しんでいる人た

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