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嗚呼 #005

11月22日
室温25度。湿度52%。僕は半袖に半ズボン。僕にとっては今が一番過ごしやすい気候条件なのかもしれない。

最近は固定支出を見直すことにしている。どうも僕は衝動的に買い物をしてしまう癖がある。最も癖ではないのかもしれないのだが‥‥。先日、主治医に聞いてみたら、「沖縄に移住した時に増えた薬が意欲増加の作用があって、それが影響しているかもしれない」とのことだった。それを止めて丁度今日で10日目だ。その薬を飲むのを止めて、確かに衝動的な無駄遣いは減ったように思える。無駄遣いとは、僕の場合、自分じゃなくて友人や知り合いに何でも買ってあげたり、自分の物を平気で人にあげたりする病的な行動である。ここ10日間は、物欲はあるものの、Amazonで「お気に入りリスト」に保存するだけで満足して、そこからポチるまでに一旦立ち止まるようになった。コンビニでも衝動買いが減ったように思う。これが果たしてその薬を止めた効果なのかどうかはまだ分からないが、効果は出てきているようにも思える。今年の2月に沖縄から帰ってきて、300万円くらいは衝動買いで借金してしまった。

昨日、カメラ仲間の友人の一人に僕が不安障害であることを伝えた。と同時に、僕は、どんな障害であるのかを自分でも改めて調べてみた。僕は厚生労働省のホームページを検索した。そこに書かれてあったことは、「煙草は百倍あって一理なし。一時的な不安は解消されるかもしれないが、長期による喫煙は依存してしまう。」僕は、その言葉にちょっとイラッとした。「お前に何がわかるんだ。お前は不安障害になったことがあるのか。どうせお役所様の高みの見物だろ?」そう感じた。一時的な不安解消でも全然良いではないか。むしろ一時的でも不安を解消したいのが僕ら患者の切なる願いだ。じゃあ、薬は依存しないのか?薬こそ依存性がある。薬こそ百害あって一理なしだろ。

こうやって文章を綴っている今も、それを書いた人物に苛立ちを覚える。「よし、一旦冷静になろう。」

ここのところ僕は涙脆くなった。歌を聴くと涙が頬を伝う。特にラブソングには弱くなった。こんなにまで自分の人生と歌詞がリンクするものなのか?新垣結衣がコブクロの名曲をカバーした「赤い糸」。まさに僕の恋愛経験をそのまま唄にしている。コブクロが歌うよりも新垣結衣のほうが心に響くのは何故だろう。ただ、僕の人生がその歌詞の主人公と違うところは、僕がまだ元カノと復縁していないことだ。やっぱり彼女のことを8年経っても忘れることはできない。どんなに他の女性と恋愛を重ねても、それを乗り越えることはできなかった。僕の病気の発症の原因は、正に彼女との失恋なのだ。12年間の恋愛。結婚することを誓い合っていた。彼女の誕生日に秋田市内のジュエリーショップに行って、婚約指輪と結婚指輪をセットで買った。天然ダイヤモンドに一目惚れした彼女は即決だった。「これが欲しい!」そして、お洒落なフランス料理店で、お互いスーツとドレスを着て、映画のワンシーンのような告白‥‥というシナリオを僕は勝手に妄想していた。でも、実際は違った。現実はもっとシンプルなものだ。僕の住んでいた1Kのアパートで、シングルサイズの敷布団の上でふたり座って、僕は彼女に婚約指輪を渡した。彼女は目を赤くして泣いていた。18歳から30歳までの青春の日々は最高だった。

僕の最近のお気に入りソングは、原田知世、新垣結衣、森恵、そしてボブ・ディランだ。聴いていて落ち着くし、一瞬の希望の光が見えたりすることもある。ボブ・ディランを聴きながら、もう一度、厚労省のホームページを見てみた。「コーヒーも飲み過ぎはカフェイン過剰摂取で気を付けなさい」だと。セブンで淹れるアイスコーヒーは僕にとって大切な気分転換の手段だ。またしてもお役所様の常套句だ。しかし、そんな中にもただひとつだけ心に響く言葉があった。「納得がいかなければ、セカンドオピニオンを求めることも選択肢のひとつですが、いったん決めたら信頼関係を維持し、継続して治療を受けることが肝要です。名医を探すより、相性のよい医師をみつけて長くかかることをお勧めします。」ふむふむ、たまにはお役所様も良いことを言うではないか。

まだまだ書きたいことがどんどん脳内から溢れ出してくる。MacBookで打つタイピングの指が間に合わない。一度に頑張り過ぎるとそれもまたストレスになってメンタル的には良くないのかもしれないが、今日やれることはやっておきたい。もしかしたら明日が来ないかもしれない。もし明日が来てもこうやって文章を書くことができるとは限らない。だから、今日やれる事、やりたい事はできるだけやっておきたい。

昨日はいろんな人と会って話して、帰宅した時には僕はかなり疲弊していた。しかし、自分へのご褒美で金城堂で買ってきたタルトタタンが脳の疲れを癒してくれた。やばい、これはスイーツ依存症になってしまう。厚労省のサイトにも是非追記してもらいたい。「スイーツは依存性があって百害あって一理なし」と。(笑)
 
ボク「先生、僕、10月から沖縄に移住します。」
先生「私も沖縄大好きよ。羨ましいわぁ。黒木さんは沖縄が向いてそう、きっと薬も飲まなくて良くなりそう。」
ボク「先生、一応、紹介状書いてもらえますか?」
先生「えっ、必要??(笑)」

丁度一年前に、僕は沖縄に移住した。ずっと沖縄に行ってみたかった。一昨年の夏に初めて行った沖縄の旅で一瞬にして沖縄の海に、温度に、空気感に、食べ物に虜になった。しかし、移住して僅か一ヶ月して宮崎に戻ってきた。原因は体調悪化だった。一ヶ月のうちおよそ半分は自宅のアパートから出られず布団の上で横になって過ごしていた。沖縄の生活が僕には合わなかったのだ。いや正確には沖縄ではなく「那覇」の街が合わなかったように今では思う。宮崎よりも都会で、人も多く、モノレールと自転車での移動が殆ど。クルマ生活に慣れ親しんだ僕には、いきなりの生活環境の変化に身体が追いついて行かなかったのかもしれない。もっと自然豊かな場所、例えば、うるま市や宜野湾市、北谷市、、、もっとゆったりと時間が過ぎて、海が近くて車で生活できるほうが僕のカラダに合っていたのかもしれない。それに、宮崎を離れる時に起きた人間関係のギクシャクもまたメンタル的にキテいたのかもしれない。しかし、そんな今でも、沖縄で経験したシュノーケリングは、海の綺麗さや透明感、泳ぐ魚のカラフルさを鮮明に覚えている良き思い出なのだ。だから、「OKINAWAスローライフ」はまたいつの日かリベンジしたいと密かに思いを抱いている。

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