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【徹底分析】 「維新前進」

 みなさん、こんにちは。
 今回は、2022シーズンの各クラブの戦力や目標を見ていく、「2022 Jリーグチーム別考察シリーズ」をお休みして、2022年のJリーグの一戦を振り返っていきたいと思います。
 また、分析系の記事は、まだ未完成な面もありますが、よろしくお願いします。
 なお、画像は肖像権、著作権対策のため、加工しています。

 では、【徹底分析】 「維新前進」と題して、「明治安田生命J2リーグ 第2節 レノファ山口FCvsブラウブリッツ秋田」をお伝えします。

 また、データは基本的に以下のサイトを参考に作成しています。
  SPORTELIA レノファ山口FCvsブラウブリッツ秋田
  JリーグHP レノファ山口FCvsブラウブリッツ秋田
  Football Lab レノファ山口FCvsブラウブリッツ秋田

 それでは、初めていきましょう!!

基本スタッツ

 観客者数や審判、会場などの試合前情報に加え、支配率などの主要スタッツを割合でまとめてみました。

考察

 スタッツは全てでおいてレノファ山口優勢の結果となりました。この2チームの対戦は、ボールを持ちたい山口とボール保持に執着しているわけでは無い秋田という構図になるので、山口の方が支配率が大きくなることは容易に想像できることではあります。
 事実、枠内シュート数は、両チームで大きな差があるわけではなく、「シュート機会」という観点で考えれば、両チームの間でかけ離れていたわけではありません
 一番大きな差が出たのは、「パス成功数」のスタッツでした。
 パス成功数は、レノファ山口の394に対して、秋田は98となっており、約4倍というスタッツになっています。後の、「攻撃志向」でも述べますが、秋田が長いパスを多用していたものの、山口は短いパスを多く使うという非常に対照的な構図ではありましたが、後半に関しては、山口のパスサッカーに対して、秋田が後手を踏むことが多くなってきてしまい、秋田は前半開始当初のような「速い攻撃」を繰り広げることができなくなってしまいました。
 特に、1点目の山瀬選手のゴールは、山口が中央から秋田ディフェンスを崩した上でのゴールであり、ある種「狙い通り」の形になったと言えるでしょう。一方、秋田は、前半の良い時間帯での得点がなかったことが響く試合結果になってしまったということでしょう。

メンバー

レノファ山口FC

・スターティングメンバー
 21 関憲太郎
 4  眞鍋旭輝
 22 生駒仁
 6  渡部博文
 14 橋本健人(90'OUT)
 8  佐藤謙介(84'OUT)
 10 池上丈二
 33 山瀬功治(71'OUT)
 16 吉岡雅和
 19 沼田駿也(71'OUT)
 13 大槻周平(84'OUT)
・控えメンバー
 17 吉満大介
 3  ヘナン(90'IN)
 27 高橋秀典
 5  佐藤健太郎(84'IN)
 26 神垣陸(71'IN)
 18 高木大輔(84'IN)
 30 兒玉澪王斗(71'IN)
・監督
 名塚善寛

ブラウブリッツ秋田

・スターティングメンバー
 21 田中雄大
 6  輪笠祐士
 5  千田海人
 3  小柳達司
 33 飯尾竜太朗
 23 稲葉修土
 25 藤山智史(79'OUT)
 10 沖野将基(33'OUT)
 8  茂平(63'OUT)
 19  武颯(63'OUT)
 40 青木翔大(63'OUT)
・控えメンバー
 1  新井栄聡
 4  池田樹雷人
 39 高瀬優孝(33'IN)
 15 江口直生(79'IN)
 14 三上陽輔(63'IN)
 18 吉田伊吹(63'IN)
 29 齋藤恵太(63'IN)
・監督
 吉田謙

考察

 レノファ山口は、開幕戦で田中渉選手が起用されていたところに、ベテランの山瀬選手が起用されました。一方の、秋田はスターティングメンバーに開幕戦からの変更はないというメンバー構成で試合に挑むということになりました。
 J2は、ルヴァンカップに参戦している2チーム以外は、ミッドウィークに試合がなく、中1週間と比較的猶予のある準備期間であったことから、開幕戦に出場したメンバーにある程度の休息及び回復が担保できたからこそのメンバー起用であったと言えます。
 山口は、開幕戦では昇格組のロアッソ熊本と引き分けており、是が非でも勝利が欲しい第2節でした。その中で、開幕戦は試合を支配をしていたものの、手痛いミスによる失点によって勝ち点1になるという展開だったので、大まかな試合の運び方などは評価できたということもあって、開幕戦からのメンバー交代は少なかったと言えます。唯一、変更になった田中選手のポジションに関してですが、開幕戦の熊本戦では、雪の影響もあるとは思いますが、持ち味のパスでのミスが散見されたことやあまりボールに絡めていなかったこともあり、経験豊富で様々な場面での対応力のある山瀬選手を起用したものだと思われます。
 結果的には、この起用が功を奏し、中央を崩した先制点は、その山瀬選手がゲットしました。この試合でも、前半開始当初は、秋田のロングパスの対応に若干苦戦する場面が見られてDF陣でしたが、試合が進むにつれ、安定感のある守備になり、後半になって持ち味のパスが繋がるようになると、秋田の攻撃も完全にシャットアウトできました。
 一方の秋田は、先発メンバーの変更がないという状況になりました。
 秋田は、開幕戦で栃木に敗れてはいますが、失点時以外では守備が非常に安定しており、失点は一瞬の隙を見せてしまったことによるものです。攻撃に関しても、開幕戦は栃木のグティエレス選手がスーパーな活躍を見せており、攻撃の形を作ることはできました。そのため、守備にしろ、攻撃にしろ大枠は評価できる内容であり、大きなメンバーの変更は必要ないと判断したのだと思います。
 この試合の、秋田にとって想定外であり、痛手となったのは右サイドハーフでスタメン出場した沖野選手が、前半30分ごろに足を痛めて負傷交代してしまったことでしょう。秋田のカウンターを遂行する上での、中心選手であり、プレースキックのキッカーでもある攻撃の中心選手を試合の早い段階で欠くことになってしまい、それ以降は思うような攻撃ができませんでした。
 後半には、63分に攻撃陣3選手を同時にかえ、試合の流れを引き込もうとしたように思いますが、山口のDFの集中力が高く、クロスまでは行くものの、シュートまで持っていけなかったり、最後の質が甘かったりしてしまい、無得点で敗れ開幕2連敗となってしまいました。

攻撃志向

 この図は、各選手がどの方向に多くパスを出しているかを可視化したものになります。

 これをもとに、攻撃志向に関して考えていきたいと思います。

考察

・レノファ山口FC
 ポゼッションスタイルを志向している山口で注目すべきは、4-3-3の前の6枚のパス方向ではないでしょうか。
 中盤の底に位置する佐藤謙選手(8)からはゴールへの直線方向へと矢印が向かっていますが、その前の池上選手(10)、山瀬選手(33)からは一度、両ウイングへと矢印が拡散しています。
 つまり、中盤3枚で相手の守備を剥がした後は、サイドに一度ボールを逃すということが見てとれます。中盤3枚に相手選手を食いつかせることができれば、必然的に両ウイングの前のスペースが広く確保できるようになるため、このような矢印になっているのでしょう。
 そんな、両ウイングからは斜め前に矢印が向いており、インテリオールの選手や最前線の大槻選手(13)がボールを受ける機会が多かったことがわかります。ただ、そのまま、相手ゴールに直進するわけではなく、一度、中盤の3枚に戻し攻撃を作り直す機会も多くあったことが、大槻選手の矢印の向きからも窺い知ることができ、「トライ&エラー」を繰り返すことができていたとわかります。

・ブラウブリッツ秋田
 一番大きなポイントもなにも、ほぼ全ての選手が相手ゴール方向へと矢印が向いていることが見て取れます。
 つまり、一度、センターラインの選手を経由した攻撃を組み立てる山口とは異なり、なるべく早く、スピーディーに相手ゴールに迫ることを優先していたのだと言えます。そのため、サイドハーフ裏へのロングボールも多くなっており、パスの長短の差というのが、山口との一番大きな差であると言えます。
 右サイドハーフの沖野選手(10)は約30分のプレーであり、矢印を考える上での母数が少なくなっていますが、左サイドの茂選手(8)とは矢印の向きに差があります。これは、後ろのサイドバックの選手によるものであると思います。右サイドバックに入っていた藤山選手(25)は、もともとボランチの選手であり、比較的中に入っていくことを好む選手です。一方の飯尾選手(33)は、もともとサイドバックの選手でサイドを駆け上がる攻撃参加も特徴にしている選手ですので、一列前のサイドハーフの矢印の方向に差が見られたのだと考えられます。

まとめ

 この試合は、「ポゼッションの山口」「カウンターの秋田」という構図が顕著に現れた試合でした。そして、山口のポゼッションに対し、秋田がうまく対応できずに後手を踏んでしまった結果敗れてしまったと言えます。
 最近は、J2下位に沈んでいた山口が良いサッカーを見せた一方、J2定着を狙う秋田に関しては、「対ポゼッション」時の不安が露出した格好になり、今後改善していくかが両チームの明暗を分けそうです。

最後に

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