NovelJam2018秋、終幕までの走り書き。
NovelJam2018秋が、今日2/1で終わる。
グランプリ審査なるものがあり、表彰などもあるようだ。けど、正直わたしはその辺はどうでもいいなと思っている。昔からその手のものの持つ意味がよくわからない人間だった。表彰の本質は、多くの人(あるいは尊敬している人、届けたい人)に届いたということの証明なんだろうなぁと、前回の花田菜々子賞受賞の際に感じた。あの時のうれしさは、「ちゃんと読んでくれた人がいたんだ」ということ、届く相手がいたのだということに対するものだったように思う。ベルさんからのコメントの時にも、表彰状をいただくのと同じくらいの感動があった。花田さんとベルさんにコメントいただけるなんて、本当に贅沢だった。
このnoteに何を書くか決めているわけではないのだけれど、小説「リトルホーム、ラストサマー」を書いたあの日からの軌跡として、いくつかの動きがあったものを一応まとめておこうと思う。現在17:30。
・「かぞくってなんだろう?」展の主催の方とのコンタクト
・ラジオ「笑顔の港」出演
・リトルトーキョーで2/23-24の2daysイベント決定
・文学Youtuberベルさんとのトークセッション決定
・現役女子高生によるリトラス朗読会が決定
・リトラスへいくつかのレビューや感想が届く
・「続きはないの?」の声をたくさんいただく
・すでに多くのファンがいるインフルエンサーの方から「何かご一緒できれば」というお声がけをいただく
・littleのインスタアカウントが動き始める
・LOOKMEにリトラス著者として登録
リトラスが生まれていなかったら、どれもこの世にはなかった動きだ。
2/23-24の2daysイベントに関しては、現状11名にアーティスト側で出ていただくけれど、よく考えたらこの企画が始まる前には知り合いじゃなかった人が8割くらい。これもリトラスが繋いでくれた出会いなんだなぁと思う。
イベントを企画する中で、アーティストの方・クリエイターの方と深い話をする機会を得ることができているのもかなり大きな変化だ。表現者と話すのは本当に面白い。自分自身も、本当に久しぶりに、自分にとっての書くことの意味を考える機会になっている。
つい先日、わたしにとって、書くことは誕生ではなく埋葬だということを改めて自覚した。人間と一緒で、この世に生まれた瞬間にそれは死に向かう。
リトラスに関しても、形として完成した瞬間というのは、一般的には「誕生」であれ、わたしにとっては「埋葬を終えた」瞬間だったのかもしれない。その人生を愛してくれる人が増えるのはたいへん嬉しい。なんというか、そういう感覚でいる。
「現実」と「非現実」の境界線への模索
受賞の際にも散々いっていたけれど、わたしは作品を「使って」できることを模索していきたい。それは現実と非現実の境界線を崩していくということでもあると思う。
今、Instagramには「little」のアカウントがある。
まだ運用開始してまもなく、フォロワーも少ないものの、40をこえるいいねがついたり、コメントをつけてくれるユーザーがいたり、それなりに「見てくれる人がいる」アカウントになってきていると思う。(わたしの個人アカウントよりよっぽど反応がよくて嫉妬する。笑)
ただ、リトラスを読んでくれた人は知っているように、「little」というのはリトルホーム、ラストサマーの作中人物のことだ。要するに、この世には存在していない人物なのだ。
それでも人は「いいね」を押すし、フォローをする。
実在、現実、というのは何なんだろう。架空、非現実、というのは、一体何なんだろう。
2daysイベントでは、littleの写真展も開催する予定だ。多分この日くる人の中には、littleが誰かを知らずに純粋に展示を見る人もいるだろう。その時、現実と非現実は、どちらが比重を持つものになるんだろう。
「小説を読む」ということに、わたしの母親は否定的だった。空想の世界は、現実を生きていくことにおいて何の意味も価値もないと思っていたからだ。
幼い頃のわたしは、それにうまく反論することもできなかった。確かにそうかもしれない、とも思った。ただ、本当にそうだろうか?とも思っていた。
現実を生きるために非現実は存在している。
非現実は、現実に溶け込むこともできる。
その境界線は、思いのほか不確かなんじゃないのかとも、思ったりもする。
今日は多分、「リトルホーム、ラストサマー」やNovelJam2018秋に対するお通夜みたいなものだ。ということで、真っ黒な格好で式典に参加してこようと思う。
余談だけれど、わたしは自分の葬式はフェス的な、普通にイベント的な感じでやってほしいなと思っている。関係者が集まって、そこからまた新しい企画や出会いが生まれていく場になってほしい。(そのためには若干早めに死ぬ方がよさそうだなとも思う。笑)
さて。あと30分で、NovelJam2018秋とお別れする式典の時間がやってくる。この場もそういう、「次を生きていくもの」へ繋がる時間になるように。