和歌・愛を語る瞳
「人の寝る味眠(うまい)は寝ずて
愛(は)しきやし君が目すらを
欲(ほ)りて嘆くも」
万葉集巻11・2369
(世の中の人が熟睡しているときに
わたしは寝られず、
せめて愛しい君の目が見たいと嘆く)
みんなはぐっすり眠りについているけれど、
あなた恋しさに震えるわたしは
とても寝付けないわ
あなたを思い出すだけで、
身体の芯が火照って眠れない
言葉なんて要らない
あなたと見つめ合うだけですべてがわかる
わたしを熱く見つめる、
あなたの燃えるようなその瞳が
わたしへの愛を物語っているから
わたしたち恋人同士は瞳だけで
情熱的に愛を交わせるものよ
今すぐあなたに見つめられたい
まっすぐに射抜かれるようなあの目で
わたしもじっと見つめ返すの
懸命に愛を込めて
あなたと瞳を交わしたことを思い出すだけで心がギュッと
締め付けられるように苦しくなるわ
あぁ、あなたのその目が欲しい…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?