和歌・秋のおとずれ
「秋立つと目にはさやかに見えねども
風の音にぞ驚かれぬる」
古今和歌集・藤原敏行
山が紅葉して色づいたわけでもなく、
秋がやってきたと
目ではっきり確かめられるわけでもない。
それなのに、
どこからともなく
さやさやと涼し気に吹いてくる風の音に
はっと気付かされることだよ。
*
この歌のように、
秋の気配はまず最初に
風が変わったことで感じますよね。
それに加えて
飛び交うトンボ、
夜の涼しさ、
秋虫の鳴き声、
今までとは違うかたちの雲…
まだ夏だと思っていたのに
秋は忍び込むかのように静かにやってきて、いつの間にか深まっているのです。
いったい秋は
どこからやってくるのでしょうか?
不思議ですね。
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