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古代の人は相手が自分のことを想っているからこそ、夢に出てくると考えていた。 人が恋をする…
「我が背子が挿頭(かざし)の萩(はぎ)に 置く露を清(さや)かに見よと 月は照るら…
「二人して結びし紐を ひとりして我は解き見じ 直(ただ)に逢ふまでは」 万葉集巻12・291…
「あさつゆの消易(けやす)き我が身 老いぬともまたをちかへり君をし待たむ」 万葉集・2789…
「かくかくに物は思はじ 朝露の我が身一つは君がまにまに」 万葉集巻11・2691 よみ人知ら…
「言清(こときよ)くいたもな言ひそ 一日(ひとひ)だに君いし無くはたへがたきかも」 万葉…
「万代(よろづよ)と心は解(と)けて わが背子がつみし手見つつ忍びかねつも」 万葉集巻17・3940 平群郎女(へぐりのいらつめ) (『いつまでも一緒に』と心をともにして、 あなたがつねったこの手を見ながら、 恋しさに胸がいっぱいです) あなたと逢った夜。 あなたが戯れに わたしの手をキュッとつまんだ。 わたしはあなたのものだと 教えたかったのね。 「いつまでも一緒に…」と 二人は心をともにした。 痛みの感覚を この手に刻みこむことで、 二人の愛の約束を わたし
「うつつには逢ふよしもなし 夢にだに間なく見え君恋ひに死ぬべし」 万葉集巻11・2544 よみ人…
「かくしてそ人の死ぬといふ 藤波(ふじなみ)のただ一目のみ見し人ゆゑに」 万葉集巻12・3075…
「若草の新手枕(にいたまくら)を枕(ま)きそめて 夜をや隔てむ憎くあらなくに」 万葉集巻10…
「桜花時は過ぎねど 見る人の恋の盛りと今し散るらむ」 万葉集巻10・1855 よみ人知らず …
「浅緑染め懸けたりと見るまでに 春の柳は萌えにけるかも」 万葉集巻10・1847 よみ人知…
「うらうらに照れる春日(はるひ)に雲雀(ひばり)あがり 心悲しもひとりし思へば」 万…
「我が背子に我が恋ふらくは 奥山の馬酔木(あしび)の花の今盛りなり」 万葉集巻10・1903 よみ人知らず (愛しい人に恋をするわたしの気持ちは、 ちょうど今、奥山のあしびの花が人知れず満開になっているようであります) わたしがあなたを想うこの気持ちは、 人知れず奥山で満開に咲いている あしびの花のように盛りとなっているの。 わたしの心のうちを あなたは知ることはないでしょうが…。 恋心という花が 今を盛りに咲いているのよ。 花が咲いていることすら気が付かず、 あし