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万葉集

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#詩歌

和歌・君の笑顔が愛おしくて

古代の人は相手が自分のことを想っているからこそ、夢に出てくると考えていた。 人が恋をする…

lily
3年前
6

和歌・秋の夜の逢い引き

「我が背子が挿頭(かざし)の萩(はぎ)に    置く露を清(さや)かに見よと  月は照るら…

lily
2年前
19

和歌・抱き合うのはあなただけ

「二人して結びし紐を  ひとりして我は解き見じ  直(ただ)に逢ふまでは」  万葉集巻12・291…

lily
3年前
9

和歌・あなたを愛する覚悟は揺るがない

「あさつゆの消易(けやす)き我が身 老いぬともまたをちかへり君をし待たむ」  万葉集・2789…

lily
3年前
6

和歌・わたしのすべてはあなたしだい

「かくかくに物は思はじ  朝露の我が身一つは君がまにまに」  万葉集巻11・2691 よみ人知ら…

lily
3年前
4

和歌・あの時のことを忘れたなんて言わせない

「言清(こときよ)くいたもな言ひそ 一日(ひとひ)だに君いし無くはたへがたきかも」  万葉…

lily
3年前
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和歌・この痛みは愛の証

「万代(よろづよ)と心は解(と)けて わが背子がつみし手見つつ忍びかねつも」 万葉集巻17・3940 平群郎女(へぐりのいらつめ) (『いつまでも一緒に』と心をともにして、 あなたがつねったこの手を見ながら、 恋しさに胸がいっぱいです) あなたと逢った夜。 あなたが戯れに わたしの手をキュッとつまんだ。 わたしはあなたのものだと 教えたかったのね。  「いつまでも一緒に…」と 二人は心をともにした。 痛みの感覚を この手に刻みこむことで、 二人の愛の約束を わたし

和歌・せめて夢で逢いたい

「うつつには逢ふよしもなし 夢にだに間なく見え君恋ひに死ぬべし」 万葉集巻11・2544 よみ人…

lily
3年前
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和歌・藤の花のようなあなた

「かくしてそ人の死ぬといふ 藤波(ふじなみ)のただ一目のみ見し人ゆゑに」 万葉集巻12・3075…

lily
3年前
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和歌・若草のような新妻

「若草の新手枕(にいたまくら)を枕(ま)きそめて 夜をや隔てむ憎くあらなくに」 万葉集巻10…

lily
3年前
9

和歌・桜は人びとに恋をさせる

「桜花時は過ぎねど  見る人の恋の盛りと今し散るらむ」  万葉集巻10・1855 よみ人知らず …

lily
3年前
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和歌・春の柳の色合いは優しい

「浅緑染め懸けたりと見るまでに   春の柳は萌えにけるかも」  万葉集巻10・1847 よみ人知…

lily
3年前
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和歌・孤独な春の日

「うらうらに照れる春日(はるひ)に雲雀(ひばり)あがり   心悲しもひとりし思へば」  万…

lily
3年前
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和歌・あしびの花は今が盛り

「我が背子に我が恋ふらくは 奥山の馬酔木(あしび)の花の今盛りなり」 万葉集巻10・1903 よみ人知らず (愛しい人に恋をするわたしの気持ちは、 ちょうど今、奥山のあしびの花が人知れず満開になっているようであります) わたしがあなたを想うこの気持ちは、 人知れず奥山で満開に咲いている あしびの花のように盛りとなっているの。 わたしの心のうちを あなたは知ることはないでしょうが…。 恋心という花が 今を盛りに咲いているのよ。 花が咲いていることすら気が付かず、 あし