和歌・あの時のことを忘れたなんて言わせない

「言清（こときよ）くいたもな言ひそ
一日（ひとひ）だに君いし無くはたへがたきかも」　
万葉集巻4・537　高田女王

（まるで二人の間に何にもなかったように、綺麗な言葉でごまかさないで。一日でもあなたなしではいられないのだから。）

わたしたちの関係を、
綺麗な言葉でごまかさないで。

すべてをさらけ出して、
あんなに濃密な時間を過ごした仲なのだから‥…。

忘れたなんて言わせない。

あなたなしではいられない
そんなわたしになってしまったのよ。

あなたにすべてを捧げたのだから…。

もう一度あのときのように、
抱きしめて。

強く、強く。

壊れてしまうくらい強く。