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和歌・この痛みは愛の証

「万代(よろづよ)と心は解(と)けて
わが背子がつみし手見つつ忍びかねつも」
万葉集巻17・3940 平群郎女(へぐりのいらつめ)
(『いつまでも一緒に』と心をともにして、
あなたがつねったこの手を見ながら、
恋しさに胸がいっぱいです)

あなたと逢った夜。

あなたが戯れに
わたしの手をキュッとつまんだ。

わたしはあなたのものだと
教えたかったのね。 

「いつまでも一緒に…」と
二人は心をともにした。

痛みの感覚を
この手に刻みこむことで、
二人の愛の約束を
わたしに忘れられなくしたのでしょう。

この痛みは、愛の証。

まるで動物が
甘噛みをするように、
粗野で不器用な愛し方をするあなた。

わたしはあなたと離れない。

あなたがつねったこの手を
さすりつつ眺めながら、
あなたのことが愛おしくてたまらなくなる。

あぁあなたに逢いたい…。

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