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万葉集

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#恋

和歌・なでしこのような恋心

「ひさかたの雨は降りしくなでしこが  いや初花(はつはな)に恋しき我が背(せ)」  万葉集巻20…

lily
1年前
15

和歌・月夜の晩の逢瀬

「み空行く月の光にただ一目相見し人の夢(いめ)にし見ゆる」 万葉集・安都扉娘子(あとのとび…

lily
1年前
11

和歌・女ゴコロをわかって

「まそ鏡磨(と)ぎにし心をゆるしなば  後に言ふとも験(しるし)あらめやも」  万葉集巻4…

lily
1年前
8

和歌・忘れたいのに

「忘れ草垣もしみみに植ゑたれど醜(しこ)の醜草なほ恋ひにけり」 万葉集巻12・3062 よみ人し…

lily
2年前
8

和歌・みどりの雨にため息

「卯の花を腐(くだ)す長雨(ながめ)の始水(みづはな)に寄る木屑(こつみ)なす寄らむ児もが…

lily
2年前
13

和歌・この花に想いを込めて

「冬こもり春咲く花を手折り持ち  千たびの限り恋ひわたるかも」  万葉集巻10・1891 厳しい…

lily
2年前
9

和歌・あなたと見たい、この雪を

あぁ、今年も雪が降った。 なんて美しいのだろう…。 真っ白に染まる静かな世界で 愛しいあなたとわたし二人きり、 この雪を見たのなら どれほど美しく 嬉しく感じられただろうか。 雪が舞い散る寒い中、 あたたかい手をつないで 一緒に見たかった。 「綺麗だね」とわたしに微笑みかける あなたの笑顔が目に浮かぶ。 たとえ離れていても、 わたしはいつでもあなたと一緒にいるわ。 いつでもあなたをそばに感じて、 二人で同じものを見ているの。 和歌の紹介は久しぶりになりました。

和歌・君の笑顔が愛おしくて

古代の人は相手が自分のことを想っているからこそ、夢に出てくると考えていた。 人が恋をする…

lily
3年前
6

和歌・こんな恋をするとわかっていたなら

この恋は、実りのないもの。 決して成就することのない、儚い夢。 刹那の恋は 夢のまま 美し…

lily
2年前
10

和歌・わたしの心に重たい霧が垂れ込める

「九月(ながつき)のしぐれの雨の山霧の  いぶせき我(あ)が胸  誰(た)を見ば止まむ」 …

lily
2年前
9

和歌・秋の夜の逢い引き

「我が背子が挿頭(かざし)の萩(はぎ)に    置く露を清(さや)かに見よと  月は照るら…

lily
2年前
19

和歌・あなたがこの手をとってくれた

「稲つけば皸(かか)る吾(あ)が手を  今夜もか  殿の若子(わくご)が取りて嘆かむ」  …

lily
3年前
14

和歌・恋から愛へ

「思ひ寄り見ては寄りにしものにあれば  一日(ひとひ)の間(ほど)も  忘れて思へや」  …

lily
3年前
10

和歌・愛を語る瞳

「人の寝る味眠(うまい)は寝ずて  愛(は)しきやし君が目すらを  欲(ほ)りて嘆くも」  万葉集巻11・2369 (世の中の人が熟睡しているときに わたしは寝られず、 せめて愛しい君の目が見たいと嘆く) みんなはぐっすり眠りについているけれど、 あなた恋しさに震えるわたしは とても寝付けないわ あなたを思い出すだけで、 身体の芯が火照って眠れない 言葉なんて要らない あなたと見つめ合うだけですべてがわかる わたしを熱く見つめる、 あなたの燃えるようなその瞳が わた