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和歌・あなたがこの手をとってくれた

「稲つけば皸(かか)る吾(あ)が手を
 今夜もか
 殿の若子(わくご)が取りて嘆かむ」
 万葉集巻14・3459 よみ人知らず
(稲をついてあかぎれになった私の手をとって、今夜も若殿さまが嘆いてくださるのかしら)

厳しい労働で、
私の手はあかぎれだらけの
荒れ放題になってしまう。

そんな私の手をとって
若殿さまが「かわいそうに」と
いたわってくださる。

使われている身のわたしなのに、
若殿さまはわたしを愛してくださるの。

あたたかい大きな手のひらで
わたしを包んでくれる、
優しいお方。

若殿さまのぬくもりで、
疲れた心もからだも癒やされる。

今夜もわたしの手をとって
慰めてくれるのかしら。

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