和歌・わたしの心に重たい霧が垂れ込める
「九月(ながつき)のしぐれの雨の山霧の
いぶせき我(あ)が胸
誰(た)を見ば止まむ」
万葉集巻10・2263 よみ人知らず
九月。
秋に入って
人肌恋しくなる季節。
冷たい霧のような時雨が降る。
霧が重く垂れ込めるように、
憂鬱で億劫な
わたしの心。
あなたへの恋心が募りに募って
その重さに耐えきれずに、
心がふさぎ込んでいるよ。
おもわず
ため息ばかり。
一人であなたを想って
苦しんでいるくらいなら、
ひとめでも
あなたの顔を見られれば
この胸は晴れるだろうか。
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