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古今和歌集

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#古典

和歌・春の雪

「霞立ち木の芽もはるの雪降れば花なき里も花ぞ散りける」 古今和歌集・紀貫之 立春を過…

lily
1年前
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和歌・あなただからこそ

「君ならで誰にか見せむ梅の花色をも香をも知る人ぞ知る」 古今和歌集・紀友則 今年も梅の花…

lily
1年前
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和歌・あなたは戻ってこない

「冬枯れの野辺と我が身を思ひせば燃えても春を待たましものを」 古今和歌集・伊勢 あなたは…

lily
1年前
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和歌・あなたをずっと待ってる

「うらみわび待たじいまはの身なれども  思ひなれにし夕暮の空」  寂蓮法師 二度とやって来…

lily
1年前
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和歌・秋のおとずれ

「秋立つと目にはさやかに見えねども  風の音にぞ驚かれぬる」  古今和歌集・藤原敏行 山が…

lily
1年前
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和歌・わたしの青い恋心

「川の瀬に靡く玉藻の水隠(みがく)れて人に知られぬ恋もするかな」古今和歌集・紀友則 さら…

lily
2年前
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和歌・春の楽園

「いつまでか野辺に心のあくがれむ花し散らずは千世も経(へ)ぬべし」 古今和歌集・素性法師 美しい美しい春がやってきた 春の野は見渡すばかりに 百花繚乱の花が咲き誇っている この花もあの花も 今が盛りと笑っている  ここは地上の楽園か あまりの美しさに心奪われて まるで魂が この花野をさまよってしまいそうだ もしも 花が散ることがなかったのなら わたしは千年でも ここで時を過ごすことだろう 春の花にうっとりと魅入られたまま 千年でも 長い長い夢を見続けることだろう

和歌・立春

今回は立春の歌です。 おとといは立春大吉の日。 暦の上でいうと、実はもう春なのです🌸 わ…

lily
2年前
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和歌・神の御心のままに

「このたびは幣(ぬさ)もとりあえず  手向山(たむけやま)  もみじの錦 神のまにまに」菅…

lily
2年前
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和歌・生命賛美、ここにきわまれり

「ももくさの花のひもとく秋の野に  思ひはなたれむ人なとがめそ」  古今和歌集 ※花が咲き…

lily
2年前
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和歌・切ない夜の恋涙

「夢路にも露やおくらむ  夜もすがら通へる袖のひちて乾かぬ」  古今和歌集・紀貫之 (夢の…

lily
2年前
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和歌・あなたがくれた愛を噛み締めながら

「あはれてふ言の葉ごとに置く露は  昔を恋ふる涙なりけり」  古今和歌集・よみ人しらず あ…

lily
3年前
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和歌・この恋のためだけに生きよう

「郭公(ほととぎす)鳴くや五月のあやめ草 あやめも知らぬ恋もするかな」 古今和歌集・よみ人…

lily
3年前
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和歌・舞い散る桜

「久方(ひさかた)の光のどけき春の日に   しづ心なく花の散るらむ」  古今和歌集・紀友則 (光ののどかな春の日に、どうして桜の花は落ち着く心を知らずに散ってゆくのだろう)  光のどかな うららかな春の日に、 はらはらひらひらと桜の花が 散ってゆく  静寂の中を音もなく、 次から次へと 舞い落ちてゆく まるで春の雪かと見るまでに ついこのあいだ満開になったばかりで そんなに急いで散ることもないだろう  そんなわたしの心をよそに 桜はせわしなく散ってゆく 降りゆく