和歌・春の楽園
「いつまでか野辺に心のあくがれむ花し散らずは千世も経(へ)ぬべし」
古今和歌集・素性法師
美しい美しい春がやってきた
春の野は見渡すばかりに
百花繚乱の花が咲き誇っている
この花もあの花も
今が盛りと笑っている
ここは地上の楽園か
あまりの美しさに心奪われて
まるで魂が
この花野をさまよってしまいそうだ
もしも
花が散ることがなかったのなら
わたしは千年でも
ここで時を過ごすことだろう
春の花にうっとりと魅入られたまま
千年でも
長い長い夢を見続けることだろう
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