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#17 友達関係で本音を言えなかった自分への怒りとイライラの感情が噴火

この連載は、長年生きづらさを抱えていた私(KOTOBUKI)が、セラピストのKANNA(かんな)さんとの出会いをきっかけに、初めて自己の内面と深く向き合い、本来の魂の道を生き始めるまでの完全実話の手記――。

サイキック能力のあるKANNAさんから、「KOTOさんが日常生活がつらいと感じてしまうのは、『自分の本心に従って生きてないこと』が原因のようですね」と言われた私。

本心で生きていないという自覚がなかっただけに、驚きとともにショックを受けたのが前回のお話↓↓

とくにKANNAさんからの、「KOTOさんは相手の気分が良くなるような“上っ面”のコミュニケーションスキルには長けていますけど、本心からしゃべっているようには感じないんですよね」の言葉はズドンと心に響いて、波紋が広がってしまった。

その翌朝のこと。自分の内側に溜まっていた感情が大暴れし出した――。



自分で自分に突っ込みを入れて傷口をえぐる


KANNAさんとのセッションが終わって、翌朝のことだった。

目覚めた後、いつものように布団の中でゴロゴロしていると、次から次へと思いが沸いてきて、自問自答が始まってしまった。

「私って、人に対してそんなに“上っ面”で話しているのかな?」

どうやらKANNAさんから言われた言葉が引っかかって、リフレインしているようだ。

すると、心の奥から返事が返ってきた。
おそらくもう一人の、裏面(ウラメン)の自分だ。

「そうだよ、上っ面もいいとこだよ。ぺらっぺらのうっすうすだよ。だって、いつも相手におべっかばっかり使ってるじゃん。必要以上に、相手を褒めて持ち上げて気分良くさせて。たいして思ってないのに、ノリで調子のいいこと言って、相手をその気にさせてばっかりじゃん」

すると、もう一人の表面(オモテメン)の自分がこう切り返した。

「いやいや、それは相手に喜んでもらいたいからだよ。相手の言葉を否定して、変に気分を損ねたくないし、その場の雰囲気を下げたくない。それって相手への優しさだと思うんだけどな」

今度は、裏面の自分がキレ出した。

「それがダメなんだよ。あんたは人に優しいわけでもないし、喜ばせたいわけでもない。自分が嫌われたくないから、その場しのぎでテキトーに話しているだけだよ!」

なんだろう……裏面の自分が、表面の自分に厳しい突っ込みを入れて、グリグリと傷口をえぐっていく。でも、どちらの声も間違っているようには感じない。だからこそ、何が正しいのか、わからなくなってしまった。

私って、本当に自分の本心で生きてこなかったんだろうか……。

まったくもって皆無とは言わない。これまで生きてきた49年、ところどころ、本音を出していたと思う。夫とか、大学や会社の後輩とか、ごく一部の「自分が言いやすい相手」には、本心を明かすこともあったと思う。

でも、よくよく考えると、9割以上は出していない気もするんだよな。

とくに自分の本当の望みは言いづらい。

一つは、自分が相手に対して「本当は嫌だな」「本当はこうしてほしいな」と感じていること。

もう一つは、自分は「本当はこうなりたい」「本当はこれがやってみたい」という理想や願望。

ネガティブな望みは相手に言いづらいものだけど、実はポジティブな望みも、案外恥ずかしくて言いにくいものだ。

もしそれを言って、相手に否定されてしまったら?
「そんなの無理じゃん」て、鼻で笑われてしまったら?

本当のことを言って、相手に否定されたり、場の空気や関係性が壊れたりするのがとても嫌なのだ。それはもう、「恐怖」に近いかもしれない。


友達に本音を言い出せなかった過去


とりわけ、友達関係において、本音を言い出せずに封じ込めた。

例えば、こんなことだ。

以前、友達に「起業するからHPの文章を書いてほしい」とか、「クラウドファンディングをするから、PRの文章を書いてほしい」などと頼まれたことがあった。

一瞬、面倒に感じてしまったけれど、その友達も頑張ってるし、応援したいと思い、「いいよ!」と引き受けてしまった。

だけど、思いのほか労力がかかってしまって、その分のお金を少しだけでももらいたいけれど、相手も資金的に苦しいから、そんなことは決して言い出せない。それにお金のことをあとから口に出すなんて、きっと嫌な人だと思われる。

そうやって、封じ込めたモヤモヤが少しずつ、少しずつ蓄積されていくのだ。

こうした本音封印パターンは、大きなことから小さなことまでたくさんあった。

友達から「ちょっと相談に乗ってほしいからお茶しない?」「新しいサービスを始めたんだけど、モニター価格でやらない?」などと言われ、ほいほい足を運んだケースは枚挙にいとまがない。

ついつい「いいよ!」とノリでOKしてしまうんだけど、あとで「この時間、なんだったんだろうか?? 時間とお金とエネルギーの無駄遣いじゃないか?」と、後悔することが少なくなかった。

そうやって相手にいい顔をして引き受けるうちに、「自分は周りの人たちに搾取されているんじゃないか?」と思うようになった。

自分で差し出しておいて、相手から奪われると思ってしまうこの謎の被害妄想は、今思うとだいぶ屈折しているのだけど、そのときの私は大まじめに「皆、私のことを利用しているんだな。あ~あ、だから人付き合いは面倒で嫌なんだよ」と、ぶつぶつ文句を言っていた。

でもそれって、ただ単に自分が断れないからじゃないのか……? 

いや、間髪入れずに「いいよ!」と即答してしまうほど、私は「自分の本心の在りか」がわからなかったのだ。あまりにも自分の本心と乖離しすぎてしまったから……。

私って、50年近くも生きているのに、自分がどこにもなかったんだな。
「いい人のフリ」をしていただけなんだな。

こうして、ただ受け身で流されて生きているところも、どこか母親に似ている気がして、嫌気がさした。


マグマのような怒りの感情が噴出


そんな風に過去の自分を思い出していたら、だんだん腹が立ってきた。

ああ、嫌だ、嫌だ。何もかもが腹立たしい。

自分は温厚な性格で怒りとは無縁だと思っていたけれど、内側にはマグマのような怒りや不満やイライラの感情がたんまりと溜まっている。

とんでもない放送禁止レベルの暴言があとからあとから沸いてきた。

いったい、どうしちゃったんだ、私。布団の中で右に左に寝返りながら、「うぅ……」と悶えた。



「KOTOさんは怒りやイライラの感情がたくさん溜まっています」

前にKANNAさんがそう言っていたけれど、「こういうことか!」と、やっとわかった気がした。

その数日後のことだった。

猛烈な腹痛が襲ってきた。痛みに悶えて、部屋とトイレを行ったり来たりするだけの3日間。ぐったりと寝込んで、仕事にもならなかった。

昔からお腹は丈夫なほうで、これまで生きていて大きな腹痛は数えるほどしかないのに……。病院に行くと、食中毒でもウィルス性の胃腸炎でもなく、原因不明の腹痛と聞き、ますます不思議に思った。

「これってもしや、感情の浄化なのでは?」

そう、ピンときた。まさにお腹の中にあった怒りのマグマが、エネルギーレベルだけじゃなく、肉体レベルでも噴出して、浄化されていく。

3日間、ゼリーと汁物しか食べられなかったせいもあるが、腹痛から解放された4日目からはなんとも言えない爽快感があった。

そして、本心を生きられなかった自分への、強烈な怒りの炎も下火になっていた。

その1週間後のことだった。自分にとって奇跡とも言える出来事が起こった――。


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