好きなことと、得意なこと。
この冬、社会人の先輩に「私どんな仕事が向いていると思いますか?」と質問してみた。
周りの人だからこそ見える私の一面があるかもしれないし、社会人の方が学生の自分よりも職業や業界について詳しいと思ったからだ。
でも、「なんだろうねぇ。うーん。」と煮え切らない答えを返されることが多かった。
最近「IKIGAI」というアメリカでベストセラーになった、日本人の生きがいという概念について書いた本を読んで、その理由がわかった気がする。
向いている仕事というのはつまり、その人が生きがいにできる仕事のことだ。
だから、向いている仕事を教えるためには、「好きなこと」「世界が求めるもの」「お金になること」「得意なこと」を知らなければいけない。
そして私は、この中でも「好きなこと」と「得意なこと」が特に大切だと思う。もちろんお金や、世界が求めるものというのも必要だけれど、それは情熱が持てる何かを見つけてから、調べたり考えたりすれば良い。
でも、周りの人は、私の「好きなこと」を知らない。人の代わりに熱さや喜びを感じられないように、好きという気持ちは自分にしかわからないのだ。
だから「どんな仕事が向いていると思う?」と聞かれた時に、多くの人が困ってしまう。その人が好きだと思えなければ、どんな仕事も向いていないことになるけれど、その人が何を好きかわからないから。
その一方で、「得意なこと」は他人の方が詳しかったりする。任天堂の故・岩田社長も人の強みについてこう話している。
労力の割に周りが認めてくれることが、きっとあなたに向いていること。それが自分の強みを見つけるわかりやすい方法だ。
自分が簡単だと思ったことが、他の人も簡単にできるとは限らない。でも、それに自分で気がつくのは難しい。
「得意なこと」は、周りの人に言われて初めて気が付けるものなのだ。
だから、「私ってどんなことが得意に見えますか?どんなことだったらできると思いますか?」と周りに教えてもらいながら、自分は「好き探し」に専念するというのが向いている仕事を見つけるための最短の道なのかもしれない。
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