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人を動かすのは、技術じゃなくて、たぶん温度だ。

先週、先輩メシというイベントに行って来ました。

2015年から僕は、宣伝会議「先輩コース」の講師を担当しています。そして、BUKATSUDO「企画でメシを食っていく」の主宰をしています。

その受講生である後輩たちが立ち上げたのが、「先輩メシ」。
先輩を囲んで、豚汁(とことん知る)を飲みながら、わいわい語り合おうという会。その記念すべき第一回目のゲストに僕を呼んでくれました。

大盛況…!

どうしてここまで人を惹きつける会になったのか?

「同じ釜の飯を食う」という意味合いで豚汁を持ってくる見事さ。会を運営する、後輩たちの丁寧な心配りの素敵さ。さまざまな要因があると思います。

根っこにはもしかしたら、“会社における「上司・部下」の縦の関係”ではなくて、“会社の枠を越えた「先輩・後輩」の横の関係”が求められている、ということもあるのかなと。

この先輩メシで話したことを少しだけ、書きますね。

最初に話したこと、それは…

「先輩とは何だろう?」

ということでした。

年齢?年次?立場?

いろんな定義の仕方があると思うのですが、僕はこう定義しています。

先輩とは、“未知の人”である。

知らないことを知っている人は先輩。
パパやママになった友人たち。
ちがう仕事に就いた同級生たち。
経営者に、編集者に、アーティストに、映画監督に。
自分が学ぶべき人はやまほどいる。
時には年齢を忘れた方がいい。
誠実な気持ちで会いに行く。

先輩はやまほどいる。この定義をした上で、
僕が20代のうちに出会った先輩から教わったことを、
10の言葉に集約して話しました。

このnoteでは、特に思い入れのある先輩の言葉を紹介させてください。

僕が、29歳の時。若手というより、もう中堅。

仕事を進める中で、思うことは色々あります。働く上で、強く意識していることがあります。それは、上に言いたいことがあるなら、愚痴にしないで、提案にする。

不平不満は、現状を変える力を持たない。だからもし、こうしたいと変えたいことを願うなら、どう変わるべきなのかを提案しないといけない。もっとこうした方が良いんじゃないか、と思った29歳の時。会社の大大大先輩に、その企画書を見てもらったことがあります。

ひと通り話を聞いてもらいました。その大先輩から返してもらった言葉は、自分よりもさらに考え抜かれたものであり、より試行錯誤されたものでした。

僕の提案は、かたちにならなかったものの。以降、大先輩に何かと相談できる距離感になりました。本気の言葉は無視されないんだなと、届けた相手の見る目が変わるのだなと思いました。ああ、話に行って良かったなと。

後日、その大先輩に仕事の報告をしに行きます。その時に返してもらった言葉を、今でも大切にしています。

阿部広らしい情熱のこもった文章でした。
人を動かすのは、技術じゃなくて、たぶん温度だ。
がんばってほしい。

人を動かすのは、技術じゃなくて、たぶん温度だ。

ああ、そうだよな。本当にそうだよなと。技術は手段に過ぎない。人を動かすのは、その人が持つ温度だ。自分が目指すべき仕事はそういうことだよなと。働くということは、自分ができることを、相手に贈ること。温度のある仕事をしようと心の底から思いました。

忙しさにかまけて、どこか機械的になっているなと思った時、「人対人」でちゃんと向き合えているかなと、先輩のこの言葉を思い出します。

このようなかたちで当日、僕が20代で先輩たちから教わった言葉をたくさん話しました。温度のある後輩たちがつくった場だから、とても温かい時間でした。

書籍「待っていても、はじまらない。―潔く前に進め」にも、先輩たちから学んだことを詰め込んでおりますので、興味を持ってくださった方は読んでもらえますとうれしいです。

2016年も、あとすこし。また一週間がはじまる。温度のある仕事をしよう。

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