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【デート代は割り勘?】芸の道を志すものが全部奢る2つの理由

コラム回です。

芸術を考えるということは文化を考えること。
音楽家は歴史と文化をいつでも考える癖をつけなければいけません。

みなさんも楽曲分析や、歴史考証など
人の音楽を演奏する際にはしっかりと調べ物をしていますか?

というわけで本日はそんな文化を考える回。

日本の芸能文化と、男尊女卑に関する話題です。
デート代のお話の前に・・・
デートといえば基本的に男女でするものですから
まずは男尊女卑文化のルーツについて考察。

レディーファースト VS 女は男の後ろを歩け

約260年、内乱が起こることなく平和が続いた江戸時代は
平和を願う私たち日本人の誇りですし
世界でも際立って平和な時代であったと言えます。

そんな江戸時代は
日本のアイデンティティの象徴として語られることも多く
現代で『男尊女卑』とも言われる文化も
非常に根深く関連づけられています。

女は男の後ろを歩け

例えば江戸時代に男女が街を歩く時
今のように並んで歩くことはもちろん
手を繋いだり、肩を組んだりなんてとんでもない時代でした。

それどころか
男性よりも前に出て歩くなんてこと到底許されるはずもない時代。

武士が街で知り合いの女性とすれ違った時に
立ち話なんてしたらたちまち噂になり
武士としての尊厳を失っていたと言われています。

何より優先!レディーファースト

一方で同じ時代中世ヨーロッパでは
レディーファーストという文化的な価値観が一般的に存在していました。

馬に乗る時、どこかに入る時、女性を優先させ、女性が先にという文化。

なぜ常に女性が最優先か知っていますか?
実際は危険がないかどうか
女性を先に行かせて確かめていたといいます。

食事も然り、安全な食べ物かどうか、安全な飲み物かどうか
女性に先に毒味をさせていたというわけです。
(日本では将軍の食事を毒味するというお仕事がちゃんとありました。)

これはドイツのビール純粋令や
フランスワインの厳しい管理の歴史にも通ずるところですが
中世ヨーロッパで飲み物や食べ物に毒を仕込んで権力者を暗殺するということは極めて一般的だったわけです。

これは筆者の想像ですが
1516年4月23日にバイエルン公ヴィルヘルム4世が
ビール純粋令を出したのは
毒が入っているかいないかがすぐにわかるように・・・
という要素も若干含んでいたのではないかと推測しています。
筆者がこの時代背景で権力者ならそうするな〜・・・

ビールの歴史を辿ればわかることですが
当時は安全な飲み水を手に入れるのは大変でしたから。

女と並んで歩くなんて軟弱

社交の場含め
『常に女性に先に飲ませる、食べさせていた』レディーファーストと
『男よりも前に出るな』『ご飯は男が手をつけてから』の江戸文化。

一見すると江戸の方が男尊女卑感を感じますか?
特に『卑』の部分が強いように見える江戸文化ですが
レディーファストと対照的な視点で見たときに初めて見えてくる部分
女性を守るため
女性を危険にさらさないためにある文化というのがわかります。

この『女は男の後ろを歩け文化』を考える時
80代後半でまだ元気だった祖母と散歩に出かけた時のことを思い出します。
せっかちに歩く祖母に対して『ちょっと〜危ないから(祖母は片目が失明していた)そんな先さきいかんといてや〜』
と声をかけていたのを思い出します。

女と並んで歩くなんて軟弱・・・
という江戸の感覚
こういう視点で考えるとなるほど納得?!
日本流男尊女卑文化とは
男たるもの女よりも前を歩き危険を排除する必要があるわけです。

まだ安全確認ができていない場所
店内に先に女性を入れるレディーファーストの方が
だんだん怖くなってきませんか?

デート代はどちらが払うの?!

noteやTwitterでもたまに見かけるこういう記事。

これはやはり音楽家育成塾ですから
芸の道を極める視点で考えていきましょう。

あっ、進める前に忘れないで!
この記事は歴史と文化を考察するコラムですよ!
みんなこうしろ!
と言ってるのではありません。
歴史と文化をどう解釈して、どう取り入れるかは
それぞれの価値観や判断です。

さて、芸の道を極める視点で考えるとき
男が払うとか、女が払うとか全く別次元になります。
芸の道を志す者であれば
男性や女性や中性に関係なく老若男女全部出すのが理想です。

なぜ全部出す必要があるのか?

ここからあなたが今日師匠や先輩から奢ってもらえる理由や
なぜ全部出す必要があるのか?
をお伝えしましょう。

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