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『Startup Weekend Tokyo Workstyle』に参加して、ぼくが学んだことのすべて

先日(2019年4月12日〜14日)開催の『Startup Weekend Tokyo Workstyle@100BANCH』(以下、SWTW)に参加してきました。

僕が参加を決めた理由は、3つあります。

1. 『働く』ということに関心があること
2. いまお世話になってる会社の自社サービス『Workship』の改善 / グロースを担当していること
3. ちょうどその頃、会社でMVPを獲得。そのまま成長を加速させたかったこと

特に、3が最大の理由。良いコンディションの状態で、さらに波に乗りたかったので、迷わず参加を決めました。

3日間を終えて得られたものが予想以上に多く、今回このイベントで経験したことは全て、いまの自分に必要だったと感じています。

自分が得た学びを言語化しておきたいし、きっと他のチームや誰かのためにも役立つはずだから、学んだことをまとめようと思います。

特にDay2に学びをたくさん書いてるので、もしお時間ない方はそこだけでも!それではいきますよ〜!

Day1:サービスアイデアのピッチとチーム結成

当日気が張ってたのか、写真撮らなかったのでちょっと今回のSWTWの開催場所だった『100BANCH』さんから写真を拝借して...こんな感じ!

(↑『100BANCH』さんのWebサイトより)

「懇親会 → 説明 → ピッチ → チーム結成」の流れでしたね。アイスブレイクから、非常にスピード感がありました。サービスのアイデアができるまでが早い早い。

やったこと自体は、よくアイデア出しとかである手法ではあるのだけど、この場の力もあるのか、やりようによって普通にサービスの構想作れそうだなと思ってました。

最後は、2日目からアイデアを形にしていきたい人たちが前でピッチ。

(↑ピッチの結果、投票で選ばれたアイデアの考案者たち)

僕は今回、「誰かのアイデアの種をどこまで形にできるか」をやろうと思っていたので、自分が良いなと思った人のアイデアに参加することに。実は全チームのピッチをメモりながら、良いと思ったものについては、ビジネスモデルを作りながら、改善アイデアを考えていました。聴いてる側だけど、かなり楽しかったです。

最終的に『Bentoby』のアイデア「お弁当売買プラットフォーム」とその拡張性、ビジョンに惹かれて参加しました。最終的に別チームの3人も加わって6人体制のチームに。会場近くのマクドナルドで自己紹介をして1日目は終わり。

■ 1日目で学んだこと、実感したこと
・意外と短時間でアイデアって出る(マインドセットが大事)
・アイデアだけなら簡単で、どう実現するかが難しい

Day2:アイデア実現方法の具体化と仮説検証

会場について、「昨日何時くらいに寝たんですか?」などの他愛のない話をして軽く雑談。アイスブレイクってほどのつもりじゃないけど、こういうの入れるのが結構大事なんですよね。

雑談を終えたら、さっそくサービス開発に取り掛かりました。

1. 相互理解とチーム、個人への最適化

3日間で最高のアウトプットを出すために、僕はまず各メンバーのことを理解し、プロセスを最適化しようと、1日目から動いていました。ざっくり書くと、下記のことを把握するために、言動を観察 / 分析し、耳を傾け、コミュニケーションをとってました(本人にもそれとなく聞いてみて仮説は検証済)。

・2日目を迎えた時点での心理状況の把握
・プロファイル(これまでやってきたこと、現在の仕事など)
・個性(価値観、性格、思考の傾向、強みなど)

これだけ書くと気持ち悪がられるかもだけど、もちろん普通に打ち解けようとも思ってましたよ!!(笑)

一緒にやっていく以上、お互いのことを知る必要があります。この辺はチーム論とか組織論、マネジメントの話ですが、生産性の高い仕事をするためには、相手への理解(同情とか馴れ合いとかではなく)と尊重がめちゃくちゃ重要だと思ってます。ちなみにこういうのをうわべだけでやるのはすぐバレるので、やるときはマインドセットちゃんとしてやりましょう。

進行にあたって、このあたりで、ファシリテーションスキルも役立ったかなと思います。メンバーの樹(いつき)がロジカルシンキング得意だったので、彼とコミュニケーションとり、議論を整理してもらいながら進めました。彼には2日間、何度も助けられたなー。もちろん、メンバー全員が「相手の話に耳を傾け、柔軟に変化できる姿勢を持っていたこと」も大きな要因です。良い文化がありました。

僕の方でなんとなく全員のことが理解できたので、チームでお互いについて話して共有。良い感じの雰囲気になり、朝の時点でチームの基盤はできました。ここからは進めながらになるので、チームマネジメントの領域になるかと思います。

2. 工数見積もり、進め方、進行管理

次に残り2日間の進め方を話し合い、計画を立てました。どうせ後で微調整は必要だから、なんとなく「何にどれくらい時間がかかるのか」を考え、スケジュールを作りました。やってるうちにわかりましたが、これがめちゃめちゃ効きました。

メンバーのヨッシーがタイムスケジュール表を作ってくれて、それを確認しながら、当初の想定とどれくらいズレがあるかをフィードバックし、次どうすべきかを判断して行動。

その結果、自分たちでも驚くほど停滞する時間がなかったです。周りのチームに聞いたのだけど、傍目から見てても相当『Bentoby』のチームは組織化されてて、順調に見えていたらしい。

僕たちも、やっている時からそれを自分たちで感じていました。

3. プラットフォームビジネスの高い拡張性

今回のSWTWではプラットフォームサービスが多かったですが、Bentobyもそう。プラットフォームというモデルがそうなのだろうとは思うのですが、Bentobyチームに入ることにした最も大きな理由の一つがその拡張性にあります。

リュウスケ(Bentobyのアイデアを持ってきたリーダー)のアイデアを最もシンプルにモデル化したのが下記になります。

リュウスケのアイデアを聞いたとき、ここからいくらでもいろんなステークホルダーと協業できそうだなと思いました。第一次産業の生産者とか、料理教室とか、料理器具メーカーとか、たくさん。

マーケティングの観点でも、SNSの料理系、もっというとお弁当クラスター、インフルエンサーと協力すれば、少なくともサービス認知には苦労しなさそう、女性のコミュニティって横のつながりが強そう、とか。サービスの性質上、単純に応援されそうだなとも思っていました。

いろんな可能性が考えられるだけに、優先順位や逆にコスト高なところの判断、ステークホルダー間の調整は難しくなるかもしれませんが、それは多分なんとかできるかなと。いかに早く会員数を増やし、エンゲージメントを高めるかと、鬼門の法律の問題の解決だなと感じていました。

4. コーチングで「事業モデル」と「ペルソナ」設計の甘さを痛感

コーチングを受けましたが、予想通り「法律と配達の問題はあるね」と言われました。ここについては、メンバー全員「そうですよね」という感じだったのですが、コーチ全員に、次のことを指摘されたのには「ウッ...」ってなってました(笑)。

これって結局、「誰の」「何を」解決するの?

ん〜、本当にそう。これに尽きる。僕たちもこれを大事だとはわかっていて、やったつもりだけど、相当甘かった。「ペルソナ、ペルソナ」とは言うけれど、もっと明確にイメージできるくらいじゃないといけない。

そうするためには、この時点ですぐにできる限りの「仮説検証」をするべきだったと思う。もっと時間区切って、自分たちでは「早い」と思っていたけど、いま思えば全然スピードが遅かったな〜。

発想としてはあったけど、メンバー全員が、たとえば「デザインスプリント」とか「リーン開発」とかを理解する学習コストがかかってしまうので今回はやめようということに。とはいえ、そこまでやらずとも、検証を細かく入れても良かったのではと、イベントを終えてからセルフフィードバックしました。

5. 本当に「仮説 / 検証した」と言えるか?

ペルソナを自分たちなりに明確にした後、明日の準備をしているとファシリテーターの成松さん(なりまっちゃん)がやってきて...

「実際にこのモデルがうまくいくか検証はしましたか?」
「本当にお金を払うユーザーがいるのか、作るユーザーがいるのか...etc.を実際に検証できる方法を考えてみてください」

それだわ。本当にそれ。これやらないと単なる妄想で終わる。

うちのチームって順調に進んでいて、目に見える滞りがほぼなかったこともあり、一切焦りもなく、余裕の雰囲気が出てた部分もあると思ったのですが、一撃で気合いが入り直しました。ナイスファシリテーション...。

Webアンケートでデータとるだけじゃなく、メンバーで手分けして、

・スーパーの惣菜売り場でヒヤリング
・お弁当を作ってくれるか、メンバーにお母さんに連絡して打診
・LINEグループにお母さんの名前と写真を投下して買い手を募集

などを実施して、実際にお弁当を作ってもらい、配達。やってみて、仮説を確認でき、UI / UXやビジネスモデル、ペルソナを改善修正できました。仕事でもやってはいるけど、本当の0→1フェーズでやれるのって貴重だと思います。

6.もう一度、全員が同じ認識を共有するために

コーチングを受けた後、チームの議論が宙に浮きそうな時間帯がありました。こうなる兆候として、たとえば下記があるかと僕は思っています。

・論点がズレる
・会話のキャッチボールが下手になる
・話が「堂々めぐり」になり始める

で、大きな原因の一つがおそらく「情報が整理されていないこと」です。コーチング受けた後で、認識の外側から新しいインプットがあったので、そうなっても全然おかしくない。

実はここもファシリテーションスキルやデザイン思考が活きるところで。全員がもう一度同じ認識を持つために僕がやったのが、「情報のアンカリング」「プレゼンテーションの構成」「アプリのUI / UXプロトタイプ」です。

a.情報のアンカリング

頭の整理がついていない状態で議論すると、相当慣れてない限り、脳が情報を処理しれません。ただただ流れるだけです。そこで、最も簡単にできる「見える化」の方法として、ノートとペンを使って、「情報を固定」しました。

見たらわかるのですが、グラフィカルには書いてません(その時、それほど重要ではないと判断)。2枚目なんて、「このレベル?笑」と思うかもしれませんね。でもこの2枚でだいぶ状況が変わりました。

ノートに書く序盤からやっていたといえばやっていたのだけど、この局面にきて再び効果を発揮しましたね。再び議論が前に進み始めました。

b.プレゼンテーションの構成

次にプレゼンテーションの構成をKeynoteでざっくり作りました。このとき質問をチームで考えていたのですが、2日目終盤の疲れもあったのか、「何を検証すればいいのか」「どんな質問を設計すればいいのか」わからないという状況。アンケート作成や、ヒヤリングをするときにどんなことを聞けば、仮説の検証ができるのかがわからず、停滞しかけました。

そこで、ざっくり30枚くらい?スライドを作って、10分くらいで構成のプロトタイプをして見せました。「最終的に集計したデータはどのタイミングで使うのか」「自分たちとしては、どんなデータが必要なのか」をチームがイメージできるためです。これも効いたと思っていて、そのあと質問を見直すきっかけになったと思います。

c.アプリのUIプロトタイプ

きわめつけはこれだったと思います。プロトタイプでざっくりアプリのUIを作ってみました。見せたとき、チームが湧いたのを憶えています(笑)。

これやると何がいいかっていうと、最終アウトプットの形が見えることかなと。着地点が見えるとどうなるか。ゴールに対して逆算思考しやすくなると思っています。自分たちのビジョンを体現するプロダクトイメージが目の前に現れた状態です。

逆算思考できるとどうなるか。「いま何が足りないのか」、残された時間で「何ができるか & 何をすべきか」「それにはどれくらいコストがかかるのか」がわかります。

ざっくりなプロトタイプではあるけど、実際に作った「買う人側の画面」を載せておきます。ちなみに今回スライドデザインはほぼ僕、UI / UXのデザインは全て僕が担当しました。

構想したのは30分、作成に1時間程度。実際UI / UXデザイナーではないのだけど、普段からカスタマーサクセスの仕事をしたり、顧客にインタビューしたり、いろんなサービス使ってみてるのが、相当活きたと思います。議論してる段階で頭の中にイメージもありました。

今回メンバーにデザイン面でかなり頼られ、他のチームの人からも高評価もらったので、多分UI / UX得意だしすぐ上達すると思います。これから仕事の一つにできたらと思ってます。これも参加したおかげですね。

もしよかったら誰か一緒に仕事させてください。ハヤシの手、今なら空いてますよ( )。

■ 2日目で学んだこと、実感したこと
・チームビルディングをしてチームの基盤を作ること、個人に仕事を最適化すること
・チームマネジメントを継続して行うことの大切さ
・共有できる土台をチームで共有する
・情報を整理して進めることで議論がしやすくなる
・実際に事業を成立させるためには、法律や物流などの枠をどう超えるか活かすかなど、考えなくてはならないことがたくさんある
・ユーザーの心理は繊細。細かく配慮して体験と機能を設計する
・仮説検証のサイクルは、高速で回せるように設計する(タイムマネジメント、発散収束、環境整備 etc.)
・だいたいペルソナは思っている以上に精緻化する必要がある(バイオグラフィー、今の生活の状況、時間の使い方、困っていること、思考傾向、どんな発言をするか、どんな資格を持っているか etc.)
・自然と逆算思考できる仕組みを作る
・お金の流れ、誰がどんな利益 / 価値を得られるかを考えれば、ちょっと無理かもと思ったことも、実現できる可能性がある

Day3:プレゼンテーション

ついに当日を迎えました。どことなく緊張感の漂う会場。なんとBentobyは大トリでした。緊張感漂うリュウスケの表情を憶えています。

10チームの発表を聴いていて、鋭い着眼点やクオリティの高いプロトタイプもあり、参考になるな〜と思ってました。個人的に良いなと思ったチームは「良い意味で現実に即している」「顧客の課題を超明確に理解している」「使った時の体験をイメージしやすい」の特徴がありました。

そしていよいよ僕たち『Bentoby』チームのプレゼン!

ちなみにこのコピーとロゴも僕が作りました。熟考はしてないけどサービスのイメージは表現できたと思っています。スライドもこの色で全体的に統一感が出るようにしました。

結果としては、Bentobyは優勝できませんでした。理由はハッキリしていて「法律」と「配達コスト」の課題に対して、明確な解決策がなかったこと。一番難しいのが法律。食品衛生責任者の資格を取るのは簡単なのですが、「キッチン設備」をクリアするにはハード面でかなりのコストがかかりそうで、現実的ではありませんでした。

印象的だったのは、審査員の方々が「オーナーシップ」という言葉を口にしていたこと。とあるスーパーデザイナーの方とお会いして話を聞いたことがあるのですが、その方も自分のリソースを投下するかどうかの重要な判断基準の一つが「オーナーシップがあるかどうか」だと言ってました。

発表後にはみんなで乾杯!本当にお疲れ様でした!

そしてなんとピッチを、本園さんがグラレコしてくれました!これは嬉しい〜!粋な計らいですね!

■ 3日目に学んだこと
・他者からの問いはかなり学習を促進する
・アイデアとチーム次第で、すごいスピードで形にできる
・パッションを示す大切さ
・やはりオーナーシップを持つことが最重要なことの一つ

終わりに

優勝を逃して正直ちょっと悔しい気持ちもありましたが、11チームが本気になって、誰かの課題を解決するサービスのアウトプットを出していて、嬉しい気持ちになったのが一番。心から他のチームの良さを認め、自然と讃えることができました。

今回SWTWに参加したことで、自分の強みと、やりたい仕事が見えたと思います。会社の仕事だけではわからない自分のポテンシャルも感じられました。終わった後には心地よい疲労感があり、3日間、全力で走りきったことを実感しました。

これで終わらず、自社でもこの3日間と同じように熱量持って、日々取り組んでいきます!また、これからさらに必要な知識とスキルを身につけて、「個人」としても新しいチャレンジをしていきたいです。

このイベントを主催・運営してくれたスタートアップウィークエンド東京の皆様、コーチングしてくださった皆様、審査員の方々、お弁当を作ってくれたKさん、弁当の買い手として手を上げてくれたMくん、そして何より共に3日間チャレンジしたチームの仲間たち。本当にありがとうございました!成長した姿で、また会いましょう!

最後にチームの写真を。(メンバーの中西さんはなんと京都から来ていたので、帰ってしまい、写っていません!またの機会に!)

Thanks !

■ スタートアップウィークエンド東京

■ Startup Weekend Japan

■ 100BANCH


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