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僕は自分のいる場所を知りたくて旅をする。

僕は歩いた。
ただまっすぐに。

今の自分が、どこを歩いているかもわからず
ただ、目の前の景色だけを追いかけて。

人生は旅のようだ。とよく形容される。
正しくは、いつ終わりが来るか分からない旅だ。

旅はいつか終わりが来る。
生まれたその瞬間から死ぬその瞬間まで、
ずっと旅をし続ける人なんかいない。

だけど人は、人生は旅のようだという。

僕らは、いつ終わるのか分からない人生を歩んでいる。
いつ終わるのか分からないのだから、自分が今どこにいるかなんて分からない。

オーストラリアという目的地があって旅をするわけではない。
死という目的地には、いつ着くか分からない。

それは今日かもしれないし、明日かもしれない。
だとしたら、僕らがいる場所はもう旅の終わりだ。

でもあと80年生きれるとしよう。
だとしたら、僕らがいる場所はまだまだ序章だ。

僕らはその自分のいる場所を知りたくて、生きるのだと思う。
自分のいる場所を知りたくて、行動するのだと思う。

僕らの生きているこの世界は、1秒前には無かった世界。
1秒前までは知らなかった景色が目の前に広がり、
1秒前までは存在しなかった世界に生きている。

その1秒前には存在しなかった僕の世界を、僕は知りたくて旅をするのだと思う。僕の旅も、いつ終わるか分からない。だから、前へ進むのだと思う。

僕には2本の足がある。
この2本の足は、僕を知らない世界へ連れて行ってくれる。

1駅、まだ1駅と僕の世界は広がっていく。

あてもなく歩く。
目的も目標も決めずに。

思うがままに、気が向くままに。

まるで、僕は旅の終わりを知らないかのように。

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