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記号-理解-意義…あなたは今どこに?

なかなか物覚えが悪くて……と悩んでいる方は多いことかと思います。

また、テストや仕事での成績が良くないとか……。

でもきっと、学んだ直後は納得してちゃんと先に進めているのではないでしょうか?

このように、その場では覚えたつもりだけどなかなか実践で活かすことができない、という方に向けて、今回は「学びの深さ」についての話をしていきたいと思います。

・そもそも学ぶってどういうこと?
・どうしたら学びを深くできるの?

ということについて以下の本を参考に話していきます。

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学びの深さ

それではまず、学びの深さって何? ということについて話していきます。

例えば、数学の公式で何か覚えているものはありますか?

三平方の定理とか、二次方程式の解の公式とか……学生でなければ、結構忘れてしまっているのではないかなと思いますが、何かの公式を覚えてそれを使うようになるところを想像してみましょう。

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まず、ある公式を最初に見たとき、「おっとなんだこの記号の羅列は」という感じで、全然意味が分からなかったと思います。

先生が「これはこうやって使うんやでー」と言ってとりあえず使わされて、だんだん使えるようになってきます。

そして、いつのまにか公式を覚えていて、公式を使えと言われればすらすらと解けるようになります。

さらに慣れてくると「あれ、この問題はあの公式を使えば解けるんじゃない?」と、公式を使えと言われずとも、自分で使いどころがわかってくるようになります。

最終的にその公式はいつのまにか当たり前のものになり、公式の導出や、その公式の背景、応用などについてもわかるようになってきます……。

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このように、学びには深さがあって、普段は意識しないと思いますが、段階によって定着の度合いは全然違います。

もちろん、学びは深ければ深いほどいいわけです。

次はもう少し具体的にこの話を掘り下げていきます。

意識すべき3つのこと

まずは先ほどの例を、大まかに3つの段階にわけてみましょう。

1.記号として認識する
2.理解する
3.意義を見出す

――記号――

公式を最初に見たときからとりあえず使えるだけの状態がこの段階です。まだただの記号でしかありません。

この段階だと、例えば公式に数を当てはめればとりあえず問題は解けるけど、少しでも形を変えると解けない……という事態に陥ってしまいます。

いわゆる丸暗記状態です。

歴史の年号やビジネス用語も、ただ覚えているだけではこの段階です。

――理解――

ちょっとした応用や自分で使いどころを発見できるようになる状態がこの段階です。

「理解」には大きくグラデーションがありますが、何かを学ぶときにはこの段階をとりあえず目指したいです。

何故なら学んだことを実践で使えるようになるのがこの段階だからです。

後で詳しく話しますが、意識しないで「常に」この段階に到達させるということはなかなか難しいです。

――意義――

その公式が何故あるのか……というところなど、背景まで理解した状態がこの段階です。

例えば、歴史上のある人物が起こした行動について、時系列でちゃんと話すことができても、だからどうしたのか、ということに答えられなければただの知識でしかありません。

そこからこのような教訓が得られるとか、その行動が後にここにつながったとか、理由があってそうせざるを得なかったとか……。

これも後で詳しく話しますが、理解を掘り下げていろいろなものとつながった先に、意義を見出す瞬間が訪れることになります。

理解の助け…例示

物事を理解するためにどうすればいいか……その方法の一つが、例を作ることです。

例えば数学であれば、公式にいろいろな数字を当てはめてみる、図にしてみる、定義にそって何かを作ってみる、反例を作ってみるなど。

もちろん数学以外でも例示は理解の助けになります。

新しい言葉を覚えたらそれを使って文章を思い浮かべてみる。

本を読んだらあらすじを話してみる。

新しい技術を得たらそれを使って何かをしてみる。

一度見ながらやったことを見ないで再現してみる。

色々考えられると思います。

ちなみに、例を作ることが理解の助けになる理由は、自分のわからないところが見えてくるからです。

これは一度例を作ってみればわかると思います。

また、インプットよりアウトプットの比率を上げた方が、勉強の効率がいいことも知られています。

それについては詳しくはこちらを→覚えたいからこそ陥る勉強の罠「過剰インプット」

ということで、まずは理解をすることを意識して、例を作ってみましょう。

So what?

理解ができたとして、それで結局これはどういう意味があるの? と疑問に思うことがあるかもしれません。

例えば数学では、最初に式を移項したりして整理することをしますが、これが結局なんの役に立つの? ということは少し先にならないとわかりません。

また、「なんの役に立つか」ということを意識しないと、実際に役立てる場面に来ても気づけないことの方が多いでしょう。

もちろん数学に限らず、「だからなに?」という場面は多くあると思います。

そういった気持ちは、大切にしておくべきだし、後で見返せるようにしておくべきです。

ということで、理解には例示が大切でしたが、意義には「メモ」が大切になります。

何気ない疑問でも、できるだけメモするようにしましょう。

また、ノートを書いているときだったら、そういう疑問に思ったことを違う色で書き記しておくとあとで見返しやすいかもしれません。

そして書き溜めたメモを後で見返したり、深く知っている人に聞いてみるのがいいと思います。

「意義」は、場合によってはそう簡単に見つかるものではありません。

それでも、探すことには十分な価値があります。

友達になれているか

参考にした本の中で、「友達になれているか」というのも理解の一つの基準になっています。

例えば、単語帳に人の名前を書いて覚えないように、相手と接しているうちに自然に名前も覚えるものです。

きっと理解するとはそういうことなのです。

友達がつらい思いをしたら自分もつらいように、スキルも自分の一部になるときがきます。

そのためには、しっかりと接し続けなければなりません。

ですので、何かを身につけたいとき、覚えたいときには、それと友達になるように接することが一番良い方法なのかもしれません。

参考書籍

ps

数学ガールは私のバイブルの一つです。

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